2008年3月10日月曜日

賽銭が消えた

お寺で義母の7回忌の法事を行った。
お坊さんと雑談をしていたら、賽銭箱を指さしながら「初めてやられました」という。
「200円しか残っていませんでした」

お坊さんは兼務住職。ずっと賽銭箱をそのままにしておいた。カギもかけていない。10円、50円、100円と、1人ひとりの浄財は小額でも、積もればそれなりの額になる。「2000円くらいはあったでしょう」とお坊さん。

気づいたらなくなっていた。盗(と)ったと見せない巧妙な手口だった。「カギをかけておくと壊される。かえって修理代が高くつくから、カギはかけないというお寺もあります」。それにならったのだろう。

確かに、盗りにきた人間は何が何でも中に手を入れる。カギがかかっていればこじあける。夢中になってやっていたところを、「後ろから近づいて腕をねじりあげたこともあります」という。

バチあたりは昔からいる。
が、こうした小さな寺(と言ったら失礼になるか)にまで現れるとは。
困窮している人間が確実に増えている証しか。

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