3月6日の早朝、いわき市平中神谷の夏井川堤防でSさんに会った。Sさんは川の近く、国道6号沿いに住んでいる。
「植えたスイセンが咲いたかな、と思って様子を見に来たんだ」
「あのスイセン、Sさんが植えたんですか」
年が明けてすぐ、岸辺のサイクリングロード沿いにスイセンが点々と芽を出しているのに気づいた。およそ70カ所、株数にして100株以上はあるだろう。それが今は、10センチほどに花茎が伸びて(それしか伸びなかった、というべきか)、つぼみを持ち始めた。
「まだ咲いてなかった」
「日当たりはいいけど、風当たりも強いから、日だまりの庭のスイセンのようにはいかないんでしょうね」
翌7日は早朝ではなく、夕方に散歩をした。
見ると、スイセンが数輪、咲いている=写真。
植えた人が誰だか分からなくても、花が咲けば心は温まる。いとおしくなる。植えた人が分かっていれば、いとおしさは倍加される。ただのスイセンの花ではなくなるのだ。
春の光を浴びて風に揺れるスイセンの花を見ていたら、対岸(平山崎)から「ホーホケキョ」、ウグイスの初音が届いた。福島気象台では3月4日に初鳴を観測しているから、それよりは3日遅い。が、いわきではもしかしたらこれが最初の初音情報か。
目でも、耳でも春を感じ取れる時節になった。
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