いわき駅前の再開発ビル「ラトブ」は地下1(B1)、2(B2)階と1階の半分が一般の駐車場だ。総合図書館の利用者は2時間、同じく買い物客は500円以上で無料となる。
毎日3~4回は車で出入りする。最初はB1、次はB2、B1、B2と、止める階も場所も変わる。
止めた場所を頭に入れておかないと、出るときになって「あれ、車がない。何階に止めたんだっけ」と慌てる仕儀になる。
先日も、B2に止めたのに、その前に止めたB1の記憶が邪魔をして、B1で車を探してしまった。
似たような人が結構いる。
あるとき、若い女性3人組がB2でエレベーターに乗ったと思ったら、すぐB1で降りた。「車がない」。あせったことだろう。慌てるのはジイサン、バアサンに限らないのだ。
駐車場で首をかしげたり、足を止めたりしている人も、同じクチだろう。こちらの記憶が正常に作動している限りは、そ知らぬふりをしてさっさと通り過ぎる。けげんな表情などをしてはならない。
カーディーラーのT氏が家に来たので、「車がない」話をしたら、「私も東京ディズニーランドで往生しました」という。「初めて遊びに行ったとき、気分が高揚していて、どこに車をとめたかなんて、ちっとも気にもしなかった。大駐車場ですからね、帰りに自分の車を探し出すのが大変でした」
T氏はこんな話もした。
ある大型店の駐車場は2、3階がまぎらわしい。「車がない。盗まれた」。ユーザーから連絡が入って、一緒に3階を探したが、ない。1階にもない。2階に行ってやっと自分の車と対面した。ユーザー氏は3階を2階と思い込んでいた。そう思い込んでも不思議ではない構造になっている、というのが、T氏の見立てだった。
初めてラトブの地下駐車場を利用する、という人の車を先導したことがある。「車がない」。性格的に慌てふためくに違いない人だから、エレベーター乗り場のドアを開ける段になって振り向かせ、「B1の、この方向。ちゃんと記憶して!」と念を押した。たぶん大丈夫だったろう。
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