まず、ガン・カモ調査から――。1月7日にいわき市内3地域で同時に調査が行われた。データを見て驚いた。留鳥のカルガモが昨年、一昨年に比べて1005羽と倍増している。市内各地に分散していたのが、今年はたまたま観察地に集結していたのだろうか。特に、夏井川河口には4割が羽を休めていた。
カルガモ以外の冬鳥では、やはり同河口にマガモ250羽、コガモ230羽。カモ類だけで夏井川河口に1000羽以上いた。壮観だ。河口の閉塞が続き、「湖沼状態になっている」ため、カモ類が生息しやすくなっているのが理由らしい。
ハクチョウ=写真(1月22日、平・塩の下流、左岸・山崎側の堤防から右岸・中神谷字調練場の浅瀬で休息中の一群を撮影)=は、コハクが鮫川の沼部に58羽、夏井川の平窪に164羽、小川・三島に172羽、平・塩に60羽。計454羽だが、年々減少している。こちらは「給餌(きゅうじ)自粛」が影響しているようだ。
次は、「かもめ」の年頭所感から――。いわき市内で計画が進められている再生可能エネルギー6事業(風力発電)について、川俣浩文支部長が書いている。なかでも、「市内で唯一のコマドリやコルリの繁殖地であり、その他の希少種や渡り鳥への影響、更には環境保全の観点からも問題が大きい」として、(仮称)阿武隈南部風力発電事業を危惧している。そのため、県と市に配置計画の見直しなどを求めて要望書を提出した。
同支部発行の『いわき鳥類目録2015』によると、コマドリは、4月末にはいわきへ渡ってくる。落ち着き先は落葉広葉樹に混じって背丈の高いササが茂る800メートル級の山地だ。繁殖が局地的なこともあって、観察が難しい。
名前の由来は「ヒンカラカラ」のさえずりから。馬のいななきのように聞こえるので「駒鳥」になった、という説が一般的だとか。「日本三鳴鳥」のひとつだが、まだ耳にしたことがない。そのためには、深山に分け入る覚悟が要る。
コマドリの繁殖する山がある――そう考えるだけで、いわきの自然の豊かさ、奥深さに心が潤う。風車建設によって営巣地を失ってはならない。
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