3月10日付のいわき民報で入賞を知った=写真。その後連絡があり、きのう(4月6日)は9日に開く授賞式と入賞作品の紹介記事が載った。
いわき地域学會は、自分たちの住むいわきを総合的に調査・研究し、正確なデータを次代に残す――を目的にした市民団体だ。昭和59(1984)年秋に発足した。この30年余、総合調査報告書や、会員による新聞連載をもとにした図書、会報など数十冊を世に出してきた。その最新の成果として、『いわきの地誌』が去年(2017年)12月20日に発行された。
同書編集者によると、地誌学は自然地理学と人文地理学を「ある特定の場所、範囲で系統的かつ総合的に記述して、その土地、範囲の全体像を描きながら特性や個性を構造的に示していく分野」の学問だ。「通常の地理論書に示されるような何処に何があるかという観光案内的な書き方やデータの説明でページを使うというような姿勢が少ない」うえに、表紙も情けないほどそっけない。
だから、「地理学の多様性を意識するあまり、いくつもの地理学の柱を立て、そのなかに事象を押し込めてしまっている印象があり、一般の人が読むには柱立てが分散していて、かえって読みにくさを感じさせる気配がある。表紙や写真の扱いなど、デザインにも一工夫欲しいところである」という作品評になった。
東日本大震災・原発事故を経験した福島県浜通りの、「いわきの今」に光を当てた。ヤマニ書房本店・鹿島ブックセンターに販売を委託したところ、静かに少しずつ売れて、何度か追加注文を受けた。興味のある方はぜひ書店へ足を運んでみてください。ありがたいことに、「今後、いわき市を研究し、あるいは知って学んでみようという人々にとって、指標的な存在になり得るもの」と作品評にあります。
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