この7月の、ある日の食卓――。まだ緑色の残る浅漬け、あめ色になった糠床の古漬け、青ジソと生を刻んだきゅうりもみがそろった=写真上。それぞれに味、食感が違う。
10日前の7月13日にも書いたが、水分たっぷりのもぎたてキュウリは、「もみ」はもちろん、浅漬け、古漬けにしてもいい。「もみ」はとてもやわらかい。浅漬けも生のあおみと歯ごたえを残しながらも、しんなりして口にやさしい。古漬けは、塩分が濃いので薄切りにする。ときには水にさらして塩抜きをする。パリパリした感じとやわらかさがまじりあって食欲を誘う。この時期、塩分補給にもなる。
きのう(7月22日)は朝めし前に夏井川渓谷の隠居へ行ってキュウリ4本を収穫した。1本は20センチ超と、思ったより生長が早かった。7時に帰宅して、2本は糠床に入れた。肥大キュウリは、カミサンがきゅうりもみにして、サケ缶をまぶした。さっぱりしてうまかった。
一休みしたあと、某所へアッシーくんを務める。おみやげにいわき昔野菜の「小白井きゅうり」をもらった=写真下。平成23(2011)年3月、いわき市が発行した『いわき昔野菜図譜』によると、在来キュウリは「どぶ漬け」が一番らしい。ほかに、酢の物、きゅうりもみ、炒め物、味噌汁が紹介されている。カミサンに図譜を見せたら、暑いうえに日曜日だったせいか「自分でつくって」。
「太く育ったキュウリは肉厚でみずみずしく、皮をむき、種を取り除いて、炒め物や味噌汁の具などに加熱して」食べる。どぶ漬けは一度沸騰させた塩水に入れて重しをのせ、10時間ほど漬け込むと出来上がるそうだ。
煮沸で思い出した。保存食用の古漬けは上がった水が濁ってきた。殺菌を兼ねて鍋に移して煮沸し、ごみやアクを取り除いた。水を流したままのボールに鍋を入れて冷ましたあと、容器に戻す。この猛暑続き、台所で火を使うことがいかにきついか、よくわかった。
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