堤防から住宅地につながる道路は狭い道でも舗装されている。ところが、バイパスをはさんだ2カ所(上流側は神谷、下流側は草野)だけが“砂利道”のままだった。
“砂利道”ができた過程を想像すると――。堤防のそばの農地が道路になり、工場や事務所、アパートが立った。さらには、バイパスの橋が架かって、その両側だけ空きスペースができた。そこを通って堤防に出る、あるいは堤防から下りる車が増えた。道は前からあったかもしれないが、車が往来する“砂利道”がそうしてできたのではないか。
“原発震災”後は、さらに周辺の田畑が宅地化された。堤防そばの畑もだいぶ宅地に変わった。新住民が増えた。その人たちも堤防と“砂利道”を利用する。雨上がりには水たまりがいくつもできる。ピカピカの車はたまったものじゃない。
神谷は、もともとは1000世帯を超えるような大きな区だった。それが、十数年前に三つに分かれた。「本家」があって、「分家」が二つできた、と考えた方がわかりやい。一帯の土地の所有者は「本家」に住んでいる。
“砂利道”のあるところは「分家」の一つ、わが区のエリアに入る。が、住民の暮らしには影響のない端っこだ。舗装化の要望をしたことはない。ときどきバラス(砂利)が敷かれて、凸凹がならされる。もともとの地主が住む「本家」で対応してくれているのだと、利用者の一人である私はおおいに感謝している。
今度の舗装も「本家」のはたらきかけがあったからか。あるいは……。もとの国道6号は4月1日、神谷分から東京寄りが国道399号に替わった。県が管理する。夏井川は2級河川で、もともと県が管理している。この一元化・一体化が影響して、アスファルト舗装が実現したのか。
道路の長さとしては30メートル余り、スペースとしては保育園の園庭くらい。突然なったアスファルト舗装に、新住民はホッとしていることだろう。私もそうだ。地域の懸案がひとつ消えたのだから。
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