まだ夏の猛暑が続いている。夕立もハンパではない。バケツでは足りない、ドラム缶をひっくり返したように降る。
この夏、わが家の土の庭には車のタイヤの轍(わだち)ができた。雨が降ると、そこを中心にたちまち水がたまる。その繰り返しで轍が深くなった。
そのため、車を同じ庭の離れ(物置)の跡に止めて、轍が乾くのを待つ。しかし、朝のうちは日光が差すのだが、昼近くになるとそばの柿の木が日陰をつくる。
やっと庭の轍が乾いたかと思うころ、また夕立が来る。庭が水浸しになる。9月19日午後の雷雨もそうだった。常磐・内郷方面でまた土砂崩れや冠水被害があった。
轍だけではない。少し黄色味を帯びた渋柿の実が時折、庭に落下する。樹下に使わなくなった犬小屋がある。そのトタン屋根に実が当たって、ものすごい音を出す。
車をいつものところに止めておくと、真上から柿の実が落ちて、車の屋根がボコボコになりかねない。
それがイヤで、夏の初めに車の真上にある青柿をあらかたたたき落とした。しかし、やはり見落としていた実がいくつもある。
朝起きて庭に出ると、ときに半分熟した実が何個も轍に転がっている。車を止めていたら、屋根に当たって「ボコッ」と大きな音を出したことだろう。
これは、そんな状況のなかで起きた「珍事」というほかない。日曜日(9月17日)の朝、夏井川渓谷の隠居へ出かけるために車を動かしたら、フロントガラスに小さな生き物が張りついていた=写真。
離れの跡に車を移してからは、車内の温度を下げるために窓を開けておく。それで車に乗り込むとすぐ、ヤブカが現れる。
黒いハンドルが直射日光でやけどするくらいに熱くなっている。それを避けるためにハンドルにタオルを掛けておく。
それだけではない。車のそばに生け垣のアオキがある。ニホンアマガエルがそこで暮らしている、アオキの枝から車のフロントガラスに飛び移ったのだろう。
気づかずにそのまま発進した。が、やはり視界の片隅にアマガエルがちらつく。カミサンは「ワイパーを動かさないで!」という。
ちょうどワイパーに乗っかったところで、それを動かすと、アマガエルがねじれるようにひっくり返って姿を消した。カミサンが悲鳴を上げた。
つぶしたか? ほどなくまたワイパーに飛び移ってきた。「よかった」。カミサンの声を受けて、ひとまずはホッとする。
こうなったら、田んぼ道のそばの林に置いていくしかない。10分ほど走ったころ、いつものルートから一本、山際に入り込んでアマガエルにバイバイした。
庭のアマガエルは、その1匹だけではなさそうだ。台所の東側の出窓を開けておくと、そばの生け垣から飛び込んで来るものがいる。
えさはハエやアブラムシなどだという。ヤブカも食べるだろう。いわば、人間にとっては益虫だ。今しばらくは人間だけでなく、車とも共存してもらうしかない。
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