「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、彼岸に入ると半そで・半ズボンでは寒いくらいになった。
寝床もタオルケット2枚では足りない。朝方、ひんやりするときがある。秋分の日の夜はとうとう、カミサンが押入から綿の入った薄い布団を取り出した。
翌日曜日(9月24日)は寺へ直行し、カミサンの実家の墓参りをしたあと、いつものように夏井川渓谷の隠居へ出かけた。
朝から晴れて綿雲がいっぱい浮かんでいる。風は冷気を含んでいる。9月も後半。体が覚えている「農事暦」に従って、「10月10日」に種をまく三春ネギの苗床をつくった。
といっても、スペースは畳1枚分だ。草をむしって、石灰をまく。翌週の日曜日には肥料をすき込む。そして、翌々週の連休(10月8~9日)に、冷蔵庫で保管していた種をまく。
そんな段取りを頭において庭の畑に立つと……。メヒシバがネギのうねとネギの古い苗床(苗がまだ数十本残っている)の周りを覆っている。まずは草むしりをしないことには始まらない。
フィールドカートに座り、三角のねじり鎌を手に、根っこごと土を引っかきながら、少しずつ、少しずつ草を払っていった。
この夏は草引きらしい草引きができなかった。いや、しなかった。
7月以来、酷暑が続いた。直射日光にさらされながら土いじりをすると、たちまち汗みどろになる。
水をガブ飲みしながらやっても、30分しかもたない。熱中症を避ける意味もあるが、体力的にも無理がきかなくなってきた。
7月下旬、後輩が庭の草を刈ってくれた。が、週1回、それもわずかな時間の草むしりでは、緑の暴力的な繁殖は抑えきれない。
高田梅の木を中心に見ると、ネギうねはその南側、北側にはネギの古い苗床、そしてうねの西側に辛み大根の“自生”スペースがある。そのへんだけでも土に光が当たるようにしたい――。
24日は青空ながら、いい具合に涼しい谷風が吹き渡っていた。天然のエアコンのおかげでほとんど汗をかくこともなく、作業が進んだ。
この夏は暑すぎて、ほんのちょっと土いじりをしたあとは隠居で朝寝をし、昼食後は昼寝をする、その繰り返しだった。
しかし、24日は「お昼―」の声がかかるまで草をむしり、昼寝をしたあともまた同じ作業を続けた。
やっと遅れを取り戻せた。といっても、ネギ以外は何も栽培していない。遅れも何もないのだが、草むしりに関しては、ようやく宿題の半分くらいはすませた、そんな思いになった。
しかも不思議なことだが、この日は夏以降、一番働いたのに疲労感が全くない。仕事がはかどったことも、理由の一つなのだろうか。
それはさておき、辛み大根はメヒシバを引っこ抜くと、虫に食われてボロボロになっていた=写真。これがちゃんと育ってくれればいうことなしだ。
冬にはずんぐりむっくりの「アザキ大根」になるか、それとも交配が進んでいるので、青首大根のようなものになるか。そのへんは収穫してのお楽しみでもある。
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