さすがに沼から車は消えていた。赤黒い頭と白っぽい胴、黒い尾の水鳥が1羽、静かに泳ぎ回っていた。冬鳥のホシハジロ(雄)らしかった。
道端に沼へ食い込むように膨らんだスペースがある。若い黒松が十数本並んで植えられたが、あらかたは立ち枯れている。その木を利用して、「福島県警
立入禁止」の黄テープが張られていた。
車がどこから沼へダイビングしたかはわからない。黄テープが張られている場所からだろうと推測するだけだが、引き揚げた場所は、テープをからめた立ち枯れ松が倒れていた(前から倒れていたかもしれないが)のでわかる=写真。左側の岸辺に一つだけ車輪の跡があった。
なんにせよ、沼は前の沼に戻った。それを確かめたあと、近くにある直売所へ寄った。
午後も遅い時間である。直売所の野菜は少ししかなかった。一本太ネギと、それよりは細いネギがあった。細いネギは「西田ネギ」だという。「西田は地名?」「地名ではなく、品種名」。初耳だ。このネギを買いながら、「太ネギは硬いんじゃないの?」というと、「ラーメン屋さんには好まれる。くずネギがあるから、あげる」。喜んでちょうだいした。
くずネギといっても、白根が割れて、見た目が悪いだけだ。夜、これを切って焼いてもらい、晩酌のつまみにした。
焼けば白根部分は甘く、やわらかくなる。緑の葉の内部にはしかし、ヌルヌルがほとんどない。私は、白根も葉も食べたい人間なので、好みからいうと、郡山の「阿久津曲がりネギ」、それと近縁と思われる「三春ネギ」に軍配を上げる。それをまた確認した。にしても、「西田ネギ」って? まだまだ知らないネギがある。
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