2019年2月3日日曜日

日本産のコブハクチョウ

いわきのハクチョウの越冬地、平・塩地内の夏井川に年末、コブハクチョウが現れた。拙ブログで書いたら、日本野鳥の会いわき支部の元事務局長Tさんから手紙が届いた。コブハクチョウに関する詳細なデータが同封されていた。
コブハクチョウは主に欧州に生息する。その外来種が、日本の湖沼や河川で目撃されるようになったワケは……。公園の池などに放鳥される→繁殖する→一部が飛び立つ→新天地でまた繁殖する、という悪循環に陥っているかららしい。

放鳥地のひとつが北海道函館市の北にある七飯(ななえ)町だった。1975年、大沼国定公園に観賞用としてつがいが放たれると、翌年にはさっそく雛が生まれる。翌々年には若鳥たちが海をはさんだ対岸、苫小牧市のウトナイ湖へ移動し、ここで大繁殖した。標識調査の結果、冬、ウトナイ湖から750キロ先の霞ケ浦・北浦へ南下して越冬する個体も現れた。

茨城県水戸市の千波湖も、1970年、彦根から2羽を譲り受けて放した結果、コブハクチョウの繁殖地になった。近隣の湖沼に拡散しているという。

すでに日本の北にも南にもコブハクチョウが生息している。Tさんは、平・塩のコブハクチョウは「南下して来たか、北上して来たか、全く不明」としている。

コブハクチョウの飛来が確認された宮城・福島・茨城3県の湖沼・河川と平・塩との直線距離も一覧にしてくれた。3県で飛来が確認されたところは13カ所。うち伊豆沼(宮城)からは189キロ、2012年6月に雛が5羽誕生した木戸川河口(楢葉町)からは24キロ、茨城の北浦からは132キロだ。仮に時速50キロで飛ぶとして、北浦からだとわずか2時間半くらいだ。

平・平窪にも、南部の鮫川河口にも飛来している。鮫川ではおととし(2017年)、去年と、2年続けて繁殖している。知らなかった。

コブハクチョウは、いわきでは「漂鳥」扱いになっているが、繁殖・定着が続けば「留鳥」として扱わないといけなくなるかもしれない。

 きのう(2月2日)夕方、堤防を通ると、白鳥おばさんによるえさやり、「食事タイム」が近かったせいか、150羽ほどがひしめいていた=写真。土曜日だったこともあって、家族連れが見物に来ていた。風が冷たかった。大群のなかから1羽のコブハクチョウを見つけるのは難しい。岸辺に降りずにそのまま車を走らせた。

にしても――。この前、少し雪が降ったほかは、1カ月以上雨がない。夏井川はもともと水量が少ない川だ。あちこちに“川中島”ができている。きょうの天気予報は「晴れのち曇り、夜遅く雨」だとか。

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