永さん流の目玉焼きの作り方はこんな感じ(カミサンだから自己流も入るが)――。フライパンを斜めにして、白身を薄く長くのばす。砂糖と醤油を振る。白身の縁が焦げかけたら、火を止める。黄味はまだ半熟だ。その黄味に長くのびた白身をかぶせてごはんにのせる。
できたてだから、舌がやけどするくらいに熱い。フーフーいいながら食べる。そのあと、箸で黄味を崩す。すると、今度は熱い“卵かけごはん”に変わる。一つの卵で二つの味を楽しめる、というわけだ。
金曜日(7月19日)の朝は、目玉焼きごはん、ナメコと豆腐の味噌汁に、3種類のキュウリの漬物がそろった=写真。
原発震災後、野生キノコは口にできなくなった。それがきっかけかどうかはわからないが、今までの小粒とは別に、傘の開いた大ナメコがスーパーや道の駅に並ぶようになった。買い物に行けば必ずこれを2袋買う。
大ナメコはぬめりが強い。ぬめりの正体はムチン。なんといっても、のどごしがいい。食物繊維のひとつで、胃や鼻の粘膜を丈夫にするらしい。同じ大きさのナラタケやクリタケ、アミタケなどの野生キノコの代替品として、このごろは月に10日前後、みそ汁にナメコが入る。
キュウリは梅雨寒で生育が悪い。値段も高い。が、自前のものだけでなく、知り合いからも「生(な)ったから」と届く。同じ糠漬けでも変化がほしい。一晩漬けてすぐ食べる浅漬け。2、3日漬けておいて塩出しをする古漬け。たまたま手に入ったずんぐりむっくりの昔野菜「小白井きゅうり」は“どぶ漬け”(塩水漬け)に。漬物はすべて私が担当する。パリパリ、シャキシャキ、ほぐほぐ。食感と味の違いを楽しむ。
この程度の朝の食卓だが、“こだわり”の取り合わせがおもしろかった。目玉焼きにこだわる。キュウリの漬物にこだわる。ナメコにこだわる。それで、食べる前に“記念写真”をと、体が反応した。
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