花が咲いて実が5センチほどに生長したものは、3~4日後には20センチ近くになる。それからさらに収穫が遅れると、ヘチマのように肥大する。梅雨寒をいいことに、「週2回は摘む」という経験則を忘れていた。
肥大キュウリにはびっくりした。が、道端のヤマユリ=写真下=には心が躍った。渓谷を縫う県道小野四倉線は、ヤマユリを残してあらかた草刈りが終わっていた。
阿武隈高地で生まれ育った私の記憶では、ヤマユリは「水浴(あ)び」「セミ捕り」「入道雲」「梅雨明け」と結びついている。
標高500メートルほどの阿武隈の山里では、ヤマユリが咲くころ、夏休みが始まる。プールがなかったので、子どもたちは毎日、川へ水浴びに出かけた。里山でセミを追った。青空には入道雲、道端にはヤマユリの花――。
標高200メートルほどの渓谷では、ヤマユリは夏休み前に開花する。とはいえ、この梅雨寒だ、雨にぬれて心なしか花が冴えない。
それより心配なのが三春ネギの苗。太い苗は持ちこたえているが、貧弱な苗はこの梅雨で根が酸欠状態になったのか、半分ほど消えてスカスカになった。早く日光が欲しい。
さて、肥大したキュウリをどうしたものか。キュウリは肥大すると皮も厚くなる。昨晩、まず1本を、カミサンが皮をむいてもみ漬けにした。アクセントに少し緑を残したが、これが硬い。ここまで肥大したら、「きゅうりもみ」には皮は要らない。
きゅうりもみをつつきながら晩酌をしていると、セミの記憶がよみがえった。まず、ニイニイゼミが鳴く。ついで、アブラゼミとミンミンゼミ。渓谷では、これにヒグラシが加わる。わが家の庭ではしかし、もう7月下旬だというのに、ウンともスンともいわない。
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