地域社会では年度末の寄り合いがピークを迎えている。隠居のある夏井川渓谷の小集落でも、日曜日のきのう(3月15日)行われた。
寄り合いは午後1時からで、午前中は隠居の庭の畑に生ごみを埋めたあと、こたつにもぐりこんで猫のように丸くなって過ごした。
前の日、いわきの平地では冷たい雨になった。山間部では雪に変わったところもある。一夜明けたら、わが家の北向きの店先にある大皿の水が凍っていた。西から北へ屏風のように連なる遠方の山並みも、うっすら白く雪をかぶっていた。真冬並みに寒かったらしい。
いつものルートでわが家から隠居へ向かう。水石山は、芝の広がる山頂が際立って白い。小川に入ると、二ツ箭山が肩あたりまでおしろいを塗ったようになっていた=写真。
渓谷には小集落が点在する。ポツンと一軒家ならぬ、ポツンと一集落だ。寄り合いには現住7、週末だけ1(私)、家はあるが下流の町に住んでいる1の9世帯が参加した。隣組がそのまま行政区になっている。
私が集落の戸主全員と顔を合わせるのは、この寄り合いのほかには、4月のアカヤシオの開花に合わせた「春日様」のお祭りの日しかない(今年は開花が早まりそうなので、4月最初の日曜日に決まった)。台風19号は? 川内村へのルートは? いきものたちは?――聞きたいことがいっぱいある。
先日、ヤドリギの話をブログに書いた。それを読んだSさんが「どこにあるの」と聞く。そこから話が盛り上がった。「4、5日前に、庭にキレンジャクが2羽、現れた。初めて見た」とKさん。Tさんは「昔、墓の梅の木にヤドリギがあった」という。
ヤドリギの媒介者は冬鳥のキレンジャクやヒレンジャクだ。ヤドリギの実を食べて、粘液に包まれた種を糞と一緒に出す。それが木の枝に付着して発芽すると、常緑の葉をのばして球状になる。私が見た黄緑色の丸いかたまりは、やはりヤドリギで間違いないようだ。
それをきっかけに、籠場の滝の今昔、水力発電所のモクズガニ対策、おひたしになって出た野生のカラシナなどの話が続き、メモが追いつかなくなった。
台風19号のときには、これといった被害はなかった。かえって、おこぼれがあったという。冠水した道路に魚がいっぱい残っていたことから、集めて空揚げにした。谷間の集落ならではのハプニングだ。森林伐採による土砂流出、下流の平・平窪で被災した本人・親戚などの話にも及んだ。特に、伐採時に設けられる作業道については厳しい意見が相次いだ。
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