2020年3月1日日曜日

中止・延期が足元にまで

夕刊のいわき民報が届くたびに、ため息が出る。連日、新型コロナウイルス感染拡大に伴うイベントの中止・延期を告げる見出しが並ぶ=写真。きのう(2月29日)も、私立のいわき秀英高の卒業式中止(クラスごとに教室で卒業証書を授与)など、9件の催しの中止・延期の記事が載った。
中止・延期の波紋は足元にも及ぶ。きのうは朝、一日早く、「広報いわき」を行政区内の班ごとに振り分け、担当の役員さん宅に届けた。3月末に予定している行政区の総会開催の案内文も添えた。案内文には「新型コロナウイルスの感染状況によっては開催延期も考えています。その場合は追って連絡します」という一文を加えた。

午後には同じように、仲間といわき地域学會の催しの延期を知らせるはがきを印刷し、投函した。催しは二つ。3月21日にいわき市文化センターで開催を予定していた「マピラリー・ミートアップ2020フクシマ、トウホク(地域学×地図学)」は延期(時期未定)、4月下旬の総会も5月下旬に1カ月延期――事務局でそう決めた。

これらは大人が対象のイベントだから、それぞれ自己責任で対処するしかない。しかし、釈然としないものもある。子どもたちの「全国一斉休校要請」には驚いた。いきなり、そうくるか。列島の隅々にまで怨嗟(えんさ)の声が広がっているのではないか。

車で5分ほどのところに長男一家が住む。小学6年生と4年生の孫がいる。ふだんは母親の両親が10キロほど離れた自宅から通って孫の帰りを待つ。一斉休校となれば、朝から“学童保育”になる。もう一組の祖父母としては、申しわけない気持ちが募る。

孫は2人ともサッカーをやっている。金曜が練習日だ。上の子は母方の祖父が、下の子は私がそれぞれ練習会場へ送る。帰りは両親が分担してピックアップする。おとといの金曜日は練習が中止になった。

いわきではとりあえず、公立の小中学校は3月2、3日に通常通り登校し、4日から春休みまで休校になる。卒業式は、中学校が3月13日、小学校が同23日で予定通りだが、臨席するのは保護者だけになるらしい。

小学校の主な行事には区長が招かれる。6日に予定されていた小学校卒業生による同窓会入会式は中止の連絡が入った。卒業式も臨席中止だろう。

上の孫は卒業式を控えている。春休みが終わると、今度は中学校の入学式だ。東日本大震災のときには3歳だった。度重なる試練を、逆にエネルギーにして育ってほしい――祈りを込めて、そう思うこのごろ。

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