車で5分のところに長男一家が住む。隣の学区だが、小6と小4の孫にとっても、きのうは臨時休校初日だ。仕事でわが家に寄った父親に聞くと、「2人で家にいる」という。午後にはいつものように、母親の両親が“学童保育”に来てくれるのだろう。
臨時休校になったからといって、なにか特別なことをするわけではない。いや、できない。小学校にいる時間が家にいる時間に替わった。高学年だから、まあ、それで済んでいる。金曜日のサッカー練習は予定通りだという。練習場へ送るくらいならこれまで通りだし、こんなときだからこそ喜んで引き受ける。
その子どもたちのためにと、きのうの「あさイチ」が番組冒頭で自衛策を解説していた。最後の最後に何といったか。「高齢者のいる家は避ける」。解説者は「なるべく」と付け加えたが、孫にジイバアの家には行くな――といっているようなものではないか。「怒」の字が頭にあふれる。
しかし、これからどうなるかはわからない。楽観も悲観もしない。少し気持ちを鎮めたあと、近所の診療所へ薬をもらいに行く。午前10時。診療所前の駐車場には車が1台もない。患者もいない。開院と同時に第一陣がやって来て、帰ったばかりだという。「待ち時間なし」は初めてだ。
家に戻ってからも、定時ニュース、ワイドショーは新型コロナウイルス感染と自衛策を報じ続ける。イベントは中止を、人の集まるところに行くのは控えるように。みんながずっと家にひきこもっていたら、日本の社会と経済は崩壊してしまうではないかと、ジイさんはだんだんひねくれた気持ちになる。でも、ひきこもる準備はしておかねばならない。コジマへ行ってプリンターのインクを買い、図書館から本を4冊借りてきた。
帰りはいつものように、夏井川の堤防を通った。ハクチョウはいない。いない日が増えてきた。平・塩地内では北帰行が終わったようだ。月曜日にたまたま対岸の堤防を通ったら、カルガモたちが堤防の上で休んでいた。車が近づくと、川面へ飛んで行った=写真上。山上憶良の歌を思い出す。「世の中を憂(う)しと恥(やさ)しと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば」。子どもだけでなく、高齢者もストレスをためている。
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