2020年3月23日月曜日

アカヤシオとカモシカ

 きのう(3月22日)は、午後に夏井川渓谷の隠居へ出かけた。目当てはアカヤシオ(岩ツツジ)の花。思ったとおり、咲き始めていた。滞留1時間。渓谷の道を戻ると、今度は大きな犬……いや、カモシカがいた。
  おととい、平・松ケ岡公園のソメイヨシノが開花した、という情報がフェイスブックに上がっていた。夏井川の下流・平市街のソメイヨシノと、上流・渓谷のアカヤシオ(岩ツツジ)は、ほぼ同時に咲く。週末、渓谷へ通い続けて四半世紀。その経験則どおりになった。

 まずは籠場の滝近辺。右岸の岩場に、午後の日の光を浴びてピンクの点々が輝いていた=写真上1。今年(2020年)はずいぶん早い。次は隠居のある牛小川。対岸、「木守の滝」の右肩、私が仮にそう呼んでいる「リンカーン岩」の上部に、やはりピンクの花が光を浴びていた。

隠居からの帰り、牛小川と江田の中間、椚平の対岸を見ると、中腹に点々とピンクの色が散らばっている。花の量からすると、彼岸の中日の20日あたりには咲き出したか。

この四半世紀に、3月中にアカヤシオが咲きだしたのは一、二度しかない。最も早かったのは3月20日過ぎ。彼岸の中日に花を見たことがあるから、今年(2020年)はそれに次ぐ早さだ。

隠居の隣の錦展望台に1台、車が来て止まった。若者たちだった。下流の籠場の滝には2台。こちらも珍しく家族連れだ。子どもたちは「コロナ休校」を余儀なくされた。日曜日で休みになった親たちが、気分転換を兼ねてドライブをしているうちに、滝と花に出合った――そんな雰囲気だった。

渓谷は地獄坂で高崎の段丘に接して終わり、あとは平野が広がる。その地獄坂の手前、ロックシェッドを過ぎて夏井川第一発電所への入り口にさしかかったとき――。
道路前方の崖際に、イノシシ?いや、違う、ラプラドールレトリバー、ないしシベリアンハスキーと見間違うくらいの、黒い生き物が立ち止まっていた。車を止めて車内から写真を撮り始めると、こちらをじっと見ている=写真上2。それからゆっくり道路を渡り、再びこちらを見続けてから、谷の林へ下りていった。顔は白い。カモシカ! 

去年(2019年)4月下旬の朝、渓谷の小集落に住む友人が通勤途中、ロックシェッドの手前でうろうろしているカモシカを目撃した。5月には自宅の裏山でも遭遇している。同じ個体だろうか。だとしたら、渓谷の森に棲みついていることになる。

アカヤシオの花を見ていい気分で帰りかけたら、さらに“ごほうび”が用意されていた。こんなすごい日曜日もあるのだ。

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