2020年3月21日土曜日

線香なしの墓参り

 春分の日のきのう(3月20日)は、早朝から強風に見舞われた。5時10分ごろに目を覚ますと、風がうなり声を上げた。風の音で目が覚めたのではない。うなり声と目覚めが同時だった。どこかで生まれた風が5時過ぎ、轟音を伴って平・神谷へ押し寄せた――そんなイメージが浮かんだ。
風は天空の川。川が山から平地へ流れるように、気圧の高いところから低いところへ空気が流れる。その差が大きいと、川は急流になる。気流は強風になる。そういうことだろう。

昼前、カミサンの実家の墓参りをするつもりでいたが、風が強すぎるので午後にずらした。昼食は? 「平のスターバックスで。込んでいればドライブスルーでサンドイッチを」とカミサンがいう。カミサンは前に入っている。私は初めてだ。ほんとうはコンビニのサンドイッチでよかったのだが、どんなところか見たい気持ちもあって従った。

サンドイッチは、墓参りに行く人が買い求めたとかで、なかった。半熟卵のホットサンド?と、酸味と甘みの強い紅茶?を飲んだ(カミサンにまかせたら、そうなった)。新型コロナウイルスのせいか、店はすいていた。

そのあと、カミサンの実家で一休みをする。大阪府知事が突然、「この3連休は大阪と兵庫の間の行き来を自粛して」といい、兵庫県知事がこれに対抗するように「兵庫と大阪の間の行き来を自粛して」といったそうだ。それを伝える民放の情報番組で、遅まきながら3連休に気づく。毎週金曜日は下の孫をサッカーの練習場へ送っていく。父親に電話すると、父親が送っていくからきょうはいい、という。

そのあと墓地へ出かけた=写真上1。私ら夫婦のほかに人はいなかった。強風下では火を扱いたくない。線香は持たなかった。墓石に水をやり、手を合わせたあと、本堂で焼香した。
そのまま帰路に就く。電話が入った。カミサンが代わりに出ると、行政区の役員さんからだった。家のそばにある県営住宅の案内板が倒れてガラスが散乱しているという。“現場”へ直行すると、役員さんが散乱したガラス片の片づけを終えたところだった=写真上2。人や車の通行には支障がない。あとはその棟の管理人さんにまかせることにした。

春先に特有の季節風とはいえ、その威力が増している。あちこちでこうした被害が起きたのではないか。強風に振り回された彼岸の中日。天空の川は夜になってもしばらく、茶の間のガラス戸をガタリ、ガタリと鳴らしていた。けさ(5時)もガタリ、ガタリが続いている。

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