庭のプラムの花が満開になっているのに気づいたのは6日前。「咲いてたのか!」。夏井川渓谷のアカヤシオ(岩ツツジ)や平地のソメイヨシノと違って、庭のプラムは身近過ぎてノーマークだった。そのあともじっくりプラムの花を眺めるどころではなかった。
きのう(3月27日)、ようやくプラムにカメラを向けた=写真。地面にはもう白い花びらが散っている。
このプラムは長男の小学校卒業のときの記念樹。植えて何年後かに実が生(な)りだした。ところが、地上1メートルほどのところで幹が二またになり、片方が菌に侵された。サルノコシカケの仲間らしい硬いキノコがあちこちに発生している。上部を切断したので、枝の広がりは半分しかない。あっという間に花だらけになる。
自分のブログによれば、2016、18、19年は3月中に、2015、17年は4月に入ると満開になった。今年(2020年)は、春分の日あたりには咲き出したようだ。平地のソメイヨシノよりは早い。データを見る限りでは、開花が早まっている印象がある。
花を眺めると、少し元気が出る。ままならない日常に踏み込んでいく力がわく――といいたいのだが、首都圏のコロナ対策と人間の動きがいわきにどう影響するのか、はかりかねるところがある。
この週末、感染爆発を抑えるために不要不急の外出を控えるように――。東京都をはじめ、近県の知事らが呼びかけた。同時に、トイレットペーパーも食糧も大丈夫――。メーカーやスーパーがテレビの取材に答えている。福島県知事も、きょう(3月28日)とあす、「東京方面への往来は極力控えて」と県民に呼びかけた。
巨大都市にはいろんな人がいる。過剰な不安から買いだめに走った、情報不足から当座の食糧調達が難しくなった、仕事を失った……。田舎にSOSを発する人がさらに増えるのではないか。としたら、それこそ福島県の出番ではないだろうか。
福島県は農・林・水産物が豊富なところ。しかも、原発震災以来、科学的に安全が証明された食料品しか流通にのせていない。苦境に立たされた首都圏の消費者を救うのは、苦境に立たされてきた福島県の生産者――「常磐もの」の本場・いわきにいると、そんな思いがよぎる。
3日前、夏井川の堤防を通ったら、今年初めてツバメを見た。花にも鳥にも元気をもらいながら、見えないウイルスと向き合うしかない。
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