2020年3月7日土曜日

小学生の気持ち

 いわきの小・中学校が臨時休校に入って3日目のきのう(3月6日)夕方、いつものように小4の孫をサッカー練習場へ送って行った。
 両親は勤めている。ふだんは放課後の時間をみはからって、母親の両親が10キロ先から“学童保育”にやって来る。臨時休校なので朝から――というわけにはいかない。祖父母にも暮らしのルーチンがある。

子どもたちも同じだろう。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、急に長い休みに入った。上の孫は小6で、23日には卒業式を控えている。式そのものは行われるが、簡素なものになる。気持ちに変化がないわけがない。

下の子を迎えに行ったとき、上の孫も含めて2人の表情を“観察”した。下の子に「ヒマか」と聞くと「ヒマ!」という。「サッカーとか英語(の塾)とかがあるときはいいけど、何もないときは……」。上の子もヒマを持て余しているようだ。それはそうだろう。

下の孫は帰宅後も遊び回っているので、宿題を始める時間が遅い。サッカーの練習へ出かけるのは午後4時半だが、いつも10分ほど遅れる。ところが、きのうはとっくに宿題をすませていた。すぐ着替えて出発した。「こんなにスムーズなのは初めてだな」というと、もう一人の祖父がニヤリとした。

しょっちゅう試合がある。遠征もする。「仙台の試合は中止になった。コロナの患者が出たから。あとは延期」。子どもの世界にも影響が広がっている。

車の中で、あれこれ聞く。昼は親が用意したものを食べているらしい。「宿題、どっさりあったろ」「でも、あとちょっとで終わる。一日に2時間、3時間くらいやってるから」。これには驚いた。ヒマだからこそ、そしてたぶん兄に影響されて、午前中は宿題に集中しているようだ。逆に、宿題を全部終えたらどうするんだろう。もっとヒマになるのではないか。

 宿題のことを聞いたのは、知り合いの若い母親が、小1の長女がどっさり宿題を持ち帰ったのをみて、「ギャアアアアアアア―――」とFBで叫んでいたからだ。

おととい、その母親と、やはり臨時休校・休園に入った長女、幼稚園の長男がやって来た。長女は幼稚園のころからユニークな言葉で周りを楽しませている。母親のメモによると、5歳「大人になりたくない」、6歳「家を出て自由になりたい」、そして今は「学校をやめて旅人になる」。

 学校に上がる前も、上がってからもそうだが、茶の間でパソコンをいじっていると、「タカじい」といいながら入って来る。「これ、なんですか」「ぬいぐるみ」(「なんですか」を使えるようになったんだ。小学校に上がるといやでも大人になるんだなぁ――)「いい?」「いいよ」。小さなレッサーパンダ風のぬいぐるみを持っていく。たしか入学式の直前、キノコが登場するいわむらかずお(1939年~)の『14ひきのあきまつり』を進呈した記憶がある。

 今もデザイナー志望は変わっていないらしい。小学校に入る前に描いた絵と、去年(2019年)、茨城県天心記念五浦(いずら)美術館で開かれた画家入江明日香展のチラシをくりぬいてコラージュしたもの=写真=を、カミサンが進呈したカミサンが古着をばらして取っておいた洋服の襟(えり)も何枚か持ち帰った。

子どもたちは子どもたちで、降ってわいたような休みにとまどっている。その年齢なりに複雑な思いを抱いている。小4、小1との対話からそんなことを感じた。

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