2021年4月30日金曜日

再び石森山へ

           
 薬をもらいに行くと、「しばらくチェックしてないので」と血を採られた。その場で血糖値が出た。「200になると糖尿病」とドクターがいう。そこまではいかないが、前(正常値)よりは高い。「油ものは週2回くらいにすること」「散歩は?」「15分くらいなら」

 老化は足から始まる。しばらく散歩を休んでいるので、ちょっと歩いただけでも乳酸がたまって足の筋肉が悲鳴をあげる。学生時代に陸上競技をやっていた。マイル(1600メートル)リレーに出場すると、酸欠で肛門あたりが痛くて立っていられなくなる。その経験から推して、酸欠の初期症状のようなものだろう。

 まず、食べ物。油を使った料理を、たとえば煮物に切り替える。肉と野菜の炒め物は、肉はしゃぶしゃぶ風に、野菜はゆでて――。それはそれでさっぱりして、うまい。

 ドクターは「昔食べていたもの」、つまり、和食に戻れ、という。昭和23(1948)年生まれには、「和食」の記憶は惨憺たるものだ。でも、それをベースにすれば、血糖値は確実に下がる。

焼酎も今年(2021年)になって糖質・プリン体ゼロの「れんと」に替えた。さらに今は経済的な理由から、コンビニで売っているプレミアム焼酎(やはり糖質・プリン体ゼロ)にしている。

 あとは15分の散歩をどこでするか、だ。前のように夏井川の堤防に出ると歩きすぎる。近所をぶらっと、もいいが、ここは森を巡ろう――というわけで、わが家から車で10分ほどの石森山へ行く回数が増えた。

 夏井川渓谷の隠居へ通い始めたのは40代後半。それまでは石森山がフィールドだった。土・日はもちろん、昼休みにも弁当を買って出かけた。年に200日ほど、林内の遊歩道を歩いたこともある。そうして野鳥・野草・キノコの名前を覚えた。

 山頂近くに、道路をはさんで寺と市フラワーセンターがある。住職とは職場が一緒だった。寺へ用があって出かけたついでに、周辺の遊歩道に入った。昔のように延々と巡ることはしない。入り口から30~50メートル進んで戻るだけ。そんな短い距離でも目と耳が喜ぶ。

 初回はエンレイソウの小さな3枚の葉が出迎えてくれた。さらに行くと、ユリワサビとヤマブキ、ヤマエンゴサクらしい花。別の日はチゴユリ、タネツケバナ。そして、広々とした斜面にはアマドコロやマムシグサが。コナラの根元から長い“釣り糸”を伸ばしているのはウラシマソウか=写真。だとしたら、久しぶりの対面だ。

 夏井川渓谷の林床に生える春の野草といえばイワウチワだが、渓谷の森はキノコを採っても線量が高くて食べられない。もう何年も森を巡ることはしていない。

 となれば、自宅に近い石森山の遊歩道を、散歩を兼ねてぶらぶらと――が手っ取り早い。里山の野草は健在だったが、最初は名前を思い出すまでに時間がかかった。

「散歩するのになんで石森山へ行くの」といわれる。「石森山に行ってから遊歩道を散歩する」と答える。行ってすぐ戻るだけの、わずか15分の散歩だが、野草の知識のおさらいにはなる。夏鳥のサンコウチョウやキビタキのさえずりはまだ。ウグイスのほかは、ガビチョウがやかましく鳴いている。

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