2021年4月14日水曜日

アミガサタケを収穫

        
 日曜日(4月11日)。隠居のある夏井川渓谷の小集落、牛小川で「春日様」(春日神社)のお祭りが行われた。昼には直会(なおらい)を終えて解散した。

 10時に山中にある社(やしろ)を参拝した。その前、9時には隠居に着いた。すぐキノコ狩りを始めた。庭(除染済み)のシダレザクラの樹下から、アミガサタケ(フランス語でモリーユ、英語でモレル)を採った=写真上1。

 だいぶ前からフェイスブックに、アミガサタケの写真がアップされるようになった。西の方では3月に発生するらしいことが、それでわかった。渓谷では4月下旬。今年(2021年)の春の早さを考えると、発生が早まるかもしれない。4月に入ってすぐの日曜日、シダレの樹下をチェックした。なかった。

チェックしている自分の姿を想像する。野辺に立つ宮沢賢治と同じだ。立ってうなだれるようにしていては、アミガサタケの出始めはわからない。かがんで地面をなめるようにする。そうやって初めて草と違った“突起”に気づく。突起が一つ見つかると、ここにも、そこにも、となる。

お祭りの朝。アミガサタケを1個発見。すると間もなく、シダレから6~7メートル離れたキリの木の根元で草むしりをしていたカミサンから声がかかる。「ここにもあるよ」。アミガサタケの地下の菌糸網が同心円状ではなく、キリの方へ長ひょろく拡張しているようだ。

 祭りへ行く前に10個ほど採った。祭りから戻って、何度も場所を替えて探した。やはりそのつど見つかる。結局、20個を収穫した。これはこれで個人的なお祭りになった。

 直会でアミガサタケの話をした。反応がおもしろかった。アミガサタケが発生することは知っている。が、「気持ち悪くて蹴とばして歩いてた。タマゴタケだってそう」。キノコの代表はマツタケ、シメジ。マツタケのシロを持っている住民らしいコメントだ。

 さて、どう料理するか、いやしてもらうか。ネットでは「アミガサタケのクリームパスタ」や「アミガサタケ入りスープシチュー」が主流らしい。が、欧米流ではなく、和風に近いものを、と探したら、「アミガサタケのおかず」があった。

 レシピはこうである。①タマネギをスライスする②ニンニクをみじんにする③フライパンを熱して少量のバターをとかし、バターと同量のサラダ油を加える④よくなじんだら、ニンニクを茶色くなるまで炒めて香りを出す⑤次に、アミガサタケとタマネギを加え、火が通ったらカレー粉としょうゆで味をととのえる――。

 アミガサタケを縦に二つに割った=写真上2。中は空洞だ。これをゆでこぼす。下処理をすませておけば、調理は簡単。カミサンがフライパンを動かすそばで、レシピのメモを読み上げる。そのうち、「はい」とフライパンを渡される。カレー粉としょうゆが入った最終段階になって自分でどうぞ――というわけだ。

 できたてを皿に盛る=写真上3。弾力がある。大きめのアミガサタケはコリコリ、小さいのはやわらかい。カレー風味のタマネギとうまく味が絡み合っている。が、食べ方としては欧州で主流のクリームパスタとかスープシチューが合っているかもしれない。

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