2021年4月21日水曜日

庭と近所の道路の花たち

        
 朝、歯を磨きながら庭の草木をながめる。春ならではの息吹が、小さなスペースながらそこかしこに感じられる。イカリソウが、スミレが花を付けた。例年より半月以上早くエビネも開花した=写真上。

 ヤブガラシが生け垣の根元を中心に、赤い芽をのばし始めた。これは厄介だ。夏になると生け垣にからみつく。しかも年々、“領土”を広げている。からみつかれる庭木はたまったものじゃない。

このところ毎日、ヤブガラシの芽を摘む。芽を摘みながら、大江健三郎の小説のタイトル「芽むしり仔撃ち」を思い浮かべる。10代後半に読んで、タイトルだけはしっかり記憶に残った。2年前にも、やはり同じ感想をブログに書いていた。

 そのあと、近所のコンビニで買い物をした。「歩いて行ってね」。春になったので、ドクターから「15分くらいなら」と散歩の許可が出た。コンビニまでは5分もかからない。冬の間はそこへも車で行って、コピーをしたり、酒のつまみを買ったりした。

 久しぶりに歩いたら、歩道わきの月ぎめ駐車場入り口にびっしり青紫色の花が咲いていた。朝晩、散歩していたころ(13年前の5月だが)、初めて夏井川の堤防でこの花を見た=写真下。

針金のような茎が20センチほどスッと伸びて、青紫色の花をいっぱい付けている。マツバウンラン。北アメリカが原産の帰化植物だった。

『検索入門野草図鑑』(長田武正・著/長田喜美子・写真)によると、同書が発行された昭和59(1984)年時点では、近畿以西から九州にかけて広がりつつあったが、今は東日本でも生息範囲を広げているのではないか。近所にこれだけびっしり生えているのだから、すでに北の方まで侵略していても不思議ではない。

 マツバウンランと一緒にナガミヒナゲシが咲いていた。このオレンジ色の花が今、あちこちの道端で見られる。これもまた爆発的な繁殖力をもつ侵略的な植物だ。

 ナガミヒナゲシが家の庭に現れたら、ためらわずに引っこ抜いてごみ袋に放り込み、「燃やすごみ」として出す。タカサゴテッポウユリ(新テッポウユリ)もすぐ引っこ抜く。在来植物をおびやかす存在だから、せめてわが家の庭くらいは、今ある植物によけいなストレスを与えたくない、という思いがある

 さて、ヤブガラシと同様、庭の地面から生え出てくるものがある。ヤブガラシのようにあちこちから、というわけではない。毎年決まっているところから茎をのばす。ミョウガタケだ。丈が10~15センチになったら、根元からカットする。さっそく、先日、刻んで汁の実にした。ほのかな香りが口内に広がった。これもまた春の土の味だ。

 過去のブログを読むと、発生は早くて4月下旬、今年(2021年)は1週間ほど目覚めが早かった。

 きのう(4月20日)はいわきの内陸、山田で最高気温が25.5度と、夏日を記録した。厚手のシャツが少々うっとうしく感じられた。この1年、風邪を引かないように、発熱しないようにと、それだけを念じてきた。暑くなったからといって、簡単に半そでシャツを、というわけにはいかない。老体には寒暖の差がこたえる。だんだん植物の気持ちがわかるようになってきた?

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