去年(2022年)12月16日に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が始まった。それを知らせるチラシ=写真=が、先日、回覧網を通じて隣組に配られた。
東日本大震災では「本震」の2日前の3月9日、大きな「前震」が発生した。3月9日の地震からみると、同11日の地震は後発地震に当たる。
日本海溝・千島海溝沿いの特定の範囲でM(マグニチュード)7.0以上の地震が発生する場合、それから1週間ほどは平時よりも巨大地震の発生に注意する必要がある。
内閣府(防災担当)と気象庁がそのためのチラシをつくった。そのチラシの配布に合わせて、いわき市も回覧資料をつくった。
それによると、いわき市を含む日本海溝・千島海溝沿いでは、巨大地震発生の切迫度が高まっている。M7.0以上の地震発生後、さらに大きな地震が2度確認されている。その一つが東日本大震災だった。
チラシを回覧して間もない土曜日(1月14日)、いわき市文化センターで市主催の自主防災組織研修会が開かれた。
講演会と討論会の二部構成で、講師は福島テレビの専属気象予報士斎藤恭紀さん、討論会の司会は同テレビアナウンサーの菅家ひかるさんと、同テレビが市とタイアップしたような研修会だった。
討論会のなかで、内田広之市長は令和4(2022)年3月、市と福島テレビが防災協定を結んだことを紹介した。テレビやSNSを通じて、いち早く防災情報を発信するというのが内容で、今度の研修会もいわばその延長で企画されたものだろう。
斎藤さんはウェザーニュースを経て、テレビ朝日や東北放送の天気予報を担当し、平成26(2014)年から福島テレビの気象予報士を務めている。郡山市防災気象アドバイザーでもある。
いわきは災害リスクの高いところだという。関東の台風、東北の地震と、両方の災害を受けやすい。内陸には断層もある。
海水温上昇による水害のメカニズムにも触れた。いわきは海に近い。湿った海風が流れ込んで山間部に大雨を降らせる。すると、川の上流の水量が急に増える。令和元年東日本台風では、そうして大きな被害が出た。
討論会では、斎藤さんのほかに、岡田清和・関田総合自主防災会長、遠藤和子・女性消防クラブ連絡協議会長、内田市長の3人が登壇して、それぞれの立場から「災害に強いまちづくり」について語った。
少子・高齢社会のなかで、自治会や自主防災組織をどう活性化するか、が課題といってもいい。討論会ではその対策として、自主防災会に女性を加える、PTAを巻き込む、といったことが提案された。
若い人を取り込むために、たとえばキャンプと同じように思ってもらえる「楽しい防災訓練」を企画する、あるいは防災運動会を実施する、といったアイデアも出された。いろいろ考えさせられる研修会だった。
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