2016年1月8日金曜日

年末年始のテレビ

 テレビは見る方かもしれない。ニュースのほかに、朝は薬を飲みながら「あさイチ」、ときどき民放の情報番組。夜は晩酌をしながら地デジとBSを半々くらい。お笑いタレントを動員した大味な番組はほとんど見ない。
 年末年始は、NHKも過去放送の総集編でお茶を濁す。そんなものは見たくないって――と思いながらも、「紅白歌合戦に人を取られるからか」なんて邪推する。年末恒例の感想だが、その「紅白」はしかし、やっぱり見てしまう。
 
「紅白」では新しい楽しみ方を見つけた。スマホを持っていないので、ノートパソコンでツイッターのタイムラインをのぞき、リアルタイムで流れる「紅白」のつぶやきを読みながら歌を聞いた。ときどきは、民放の格闘技イベントにチャンネルを切り替えながら。
 
 いやあ、おもしろかった。つぶやく人がそばにいるような感覚になった。著名なコラムニストなどがコメントを発するたびに、<なるほど、そうきたか>と“さじき席”でひとり盛り上がった。同じように、テレビとツイッターを組み合わせて「紅白」を楽しんだ人もいたようだ。
 
 年が明ければ、元日・実業団の駅伝、2~3日・箱根駅伝がある。が、見始めるとテレビの前から離れられなくなるので、今年は見なかった。代わりに、元日は朝からBS1の「映像の世紀デジタルリマスター版」=写真=をかけっぱなしにした。20年前のNHKスペシャルで、未明の午前零時に始まり、午後3時近くまで、ニュースをはさんで計15時間11本が再放送された。
 
 8時台の第7集「勝者の世界分割」(ヤルタ会談)あたりから見た。正午からの第10集「民族の悲劇果てしなく」は、思わず年賀はがきを書く手を休めて見入った。ヨーロッパ、中近東、アジア……。20世紀は革命で、戦争で、内戦で多くの難民が生まれた。21世紀の今も難民は発生している。特にシリア難民は深刻な状況にある。
 
 師走の上旬、主に関西で研修を続けていたフィリピン、スリランカ、アフガニスタン、スーダン、コソボ、東ティモール、ブルンジ、ルワンダ、南スーダン、ミャンマー、ザンビア11カ国の16人がいわき市へやって来た。紛争・災害後の復興期にある国・地域でコミュニティ開発プロジェクトの計画立案に当たっているNGOや行政機関の職員だった。
 
 前にも書いたが、彼らとの質疑応答から難民と現地コミュニティの問題に気づかされた。「民族の悲劇果てしなく」はその意味でも、遠いよその国の話ではなくなっていた。

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