2019年6月13日木曜日

會津日新館と鶴ヶ城

 会津若松市を代表する観光施設は鶴ヶ城、テーマは戊辰戦争と白虎隊だろうか。今度のミニ同級会&会津観光ドライブ2日目は、會津藩校日新館(同市河東町)=写真下=と会津武家屋敷(同市東山町)、そして鶴ヶ城(同市追手町)を訪ねた。
 東日本大震災が起きた2011年11月、「震災復興支援の集い」と銘打って、会津若松市の奥座敷・東山温泉でミニ同級会を開いた。初日に鶴ヶ城と白虎隊の飯盛山を見学し、翌日は南会津へ足を延ばして大内宿と「塔のへつり」を巡った。その2年後には、同市の芦ノ牧温泉に集結し、翌日、大内宿を再訪した。それ以来の会津行だ。

 日新館は初めて見学した。もともとは鶴ヶ城の西側にあった。戊辰戦争で焼失したのを、昭和62(1987)年、地元企業家が中心になって、鶴ヶ城の北方約8キロの旧河東町に復元したという。

藩校の規模の大きさに圧倒された。施設内の展示物は、なるほどそうか、と思わせる構成だ。藩校で学んでいた少年たちが戊辰戦争に参加する。白虎隊である。その悲劇を踏まえた展示になっている。
そのあと会津武家屋敷を見学し、昼食をとって鶴ヶ城=写真上=へ移動した。城内の展示物は日新館と同じだ。どちらも戊辰戦争・白虎隊を“売り”にしている。

外観はともかく、展示物のテーマが同じだから、日新館と鶴ヶ城を続けて見るのは考えもの。なんだ、ここも白虎隊か、戊辰戦争か、となる。実際、私はそう感じて、鶴ヶ城では展示物を見る気になれなかった。

その2日後のきのう(6月12日)、朝日新聞の福島版に<「日新館を鶴ヶ城隣へ」波紋/会津若松市長選へ 室井氏「個人的な思い」/「聞いたことない」市幹部ら困惑>という見出しで記事が載った。「8月の市長選で3選を目指す会津若松市の室井照平市長が選挙向けに唱えた構想が波紋を広げている」そうだ。

日新館の運営企業も、市役所の幹部も寝耳に水だったらしいが、権力者の発言は「個人的な思い」ですませられるほど軽くはない。会津には会津の課題がある。とはいえ、日新館と鶴ヶ城を見て来たばかりの一観光客には、驚きの報道だった。浜通りの人間ながら「波紋」の行方が気になる。

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