2019年6月30日日曜日

アニメ映画「薄暮」の地元では

 見ていないアニメ映画をうんぬんするのは気が引ける。が、舞台になったところが“地元”なので、いろいろ情報が入ってくる。それを伝えるのも一興かと思う。
 最初は小学校の孫から。父親に連れられて山の陰の下片寄(しもかたよせ)へ行って来た、という。「ハクボ」、と使い慣れないことばも口にする。片寄がアニメ映画「薄暮」の舞台であることを、それで知った。

 先週木曜日(6月27日)の夜、青少年育成市民会議の神谷(かべや)支部総会が公民館で開かれた。終わって、公民館長がチラシを見せながら、「薄暮」を紹介した。アニメ映画製作に協力したいわき市内の団体がチラシを置いていったそうだ。

 神谷は、旧国道6号(現国道399号)と旧々国道を幹線道路とする鎌田・塩・上神谷・中神谷西・同南・同北のほか、ひとつ山陰の上片寄・下片寄の8行政区からなる。旧神谷村である。

 上・下片寄は平市街の裏山、石森山(224メートル)の南東に広がる農村だ。下片寄は上片寄の下手、東西にのびる標高90~70メートルほどの丘の間に位置する。上片寄の山の中腹には私立昌平中・高校がある。毎年、そこで神谷地区の球技大会が開かれる。

 公民館長が紹介したチラシに、山と家と水田を背景にした「下片寄バス停留所」が描かれている=写真。高校生が主人公のアニメ映画では、高校と合わせて重要なスポットらしい。このバス停が紹介されたとき、苦笑が広がった。

 現実には、下片寄バス停はない。上片寄の学校と、主にいわき駅前を結ぶスクールバスがあるだけだ。しかし、アニメのバス停を目指して宮城や山形ナンバーの車がやって来る。映画が公開されて、きょう(6月30日)で10日。会合では、「聖地巡礼」がこれからさらに熱を帯びてくるのではないか、野菜の直売でもしたらどうだ――といった軽口まで飛び出した。

 石森山への行き帰りや、知り合いの家に用があるとき、よく上・下片寄を通る。一帯はどこにでもある農村かもしれないが、ほっこりするような景観が保たれている。その風景がどんなふうに描かれているのか、興味がある。いわき駅前のポレポレいわきでは、きょうは、午後2時50分から上映される。朝から雨。夏井川渓谷の隠居へ行ってもやることがない。骨休めを兼ねて出かけてみようかな。

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