2019年6月7日金曜日

庭の地下茎を断つには

 地下茎で増える植物は、芽を摘んだからよし、ではないらしい。地下茎そのものを除去しないとまたすぐ芽を出す。しかし、いったん広がった地下茎を除去するのは容易なことではない。ヤブガラシがそうだ。
 街のなかの小さな家だが、東西の生け垣と南面する庭木群につる性植物のヤブガラシがからみつく。前に、カミサンが夏井川渓谷の隠居から、実生のカエデやミズヒキソウを持ち帰って庭に植えた。私もキノコを採って、土とともに柄の根元(石づき)を削って庭に捨てた。それらの中にヤブガラシの種がまぎれこんでいたのかもしれない。

 ヤブガラシは、気づけばつるを切るようにはしていたが、何本かはいつも生きのびて花を咲かせる。芽の出方からすると、地下茎は木のある方へ、木のある方へと伸びながら、さらに左右に分岐し、それがまた同じことを繰り返しているようだ。今では地上の生け垣と庭木の枝葉と同じくらいの面積まで、地下茎を張りめぐらしているのではないだろうか。

 毎朝、歯を磨きながらヤブガラシの新芽を摘んではいるものの……、とめどがない。ネットであれこれ調べているうちに、芽むしりは対症療法にすぎない、根本的な解決策は地下茎の除去しかないことを知った。それに、木のないところには現れないようだ、ということも。

車が出入りするスペースには、確かにヤブガラシの新芽は出てこない。つるを巻きつけるには木が必要だ。駐車スペースには、それがない。ヤブガラシは絶えず樹木の有無を探りながら地下茎をのばしているのか。

地下茎を除去しなければ――。とはいえ、家にあるのはスコップとフォークだけ。新芽の生えている地面にフォークを突き刺してグイッとやってみる。土がはねかえってくる。それはそうだろう。地中に根づいている茎はフォークの歯くらいでは、簡単には浮き上がらない。それでも、10分くらい続けるうちに結構な量の地下茎をはぎ取ることができた。新芽は5~10センチ間隔で出てくる=写真。すさまじい生命力だ。

 ヤブガラシと同じように、地下茎で増えるものが庭にはある。ミョウガ、ドクダミ、ササ。庭の表面から数センチ前後の地下世界では、それこそこれらの茎が水平に伸びてぶつかりあい、からまりあっている。それらを一本のロープにしたらどこまで行くだろう。

夏井川渓谷の隠居でササに覆われていた庭を“開墾”し、ささやかな菜園を始めたのが、20年ほど前。そのときは唐鍬で土を起こし、地下茎を切り、ツルハシで石を取り除いた。そのくらいのことをしないと、自宅の庭のヤブガラシの地下茎は除去できないようだ。今度隠居へ行ったら、唐鍬を持ち帰ろう。

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