2019年6月1日土曜日

47年ぶり?のエスカルゴ

 いわき昔野菜保存会の総会が先日、平のフランス料理店で開かれた。終わって懇親会に移り、久しぶりにフォークとナイフを握った。
 メニューは「自家畑のかき菜にパルマ産生ハムとチーズを添えて」「エスカルゴと茸(きのこ)のクリーム煮」「平目のポアレ薤(にら)バターソース」「麓山高原豚(はやまこうげんとん)の香草煮のソテー シュークルート添え」「自家製デザートの盛り合わせ」で、これにコーヒー・紅茶・パンが付く=写真。ポアレとかシュークルートとかは、家に帰ってネットで検索してわかった。

シェフは自分で畑をやり、試験操業中の魚を仕入れるために沼ノ内漁港へ足を運ぶ。「かき菜」は自分の畑から、ヒラメは沼ノ内で競り落としてきた、とメニューにあった。

 一品一品がどんなかたちをして、どんな味だったかはもううろ覚えだが、とにかく「盛り付けがきれい」なのと「やわらかい」のが印象に残った。

エスカルゴを食べるのは何年ぶりだろう。はっきり覚えているのは23歳の独身時代だから、47年前のことだ。建築設計事務所の社長さん(当時40代後半だったか)から、ときどきカミサンとフランス料理店に誘われた。

 あるとき、「僕が君たちにごちそうするのは、恩返しなんだよ。若いとき、上の人にごちそうになったお礼の、ね」。以来、私も「恩返しのリレー」を忘れないようにしてきた。

 それはそれとして、エスカルゴは殻付きで出てくるかと思ったら、むき身だった。見た目は巻き貝の身と変わらない。47年前は殻付きのエスカルゴをトングではさみ、専用フォークで身を取り出して食べた。ガーリックバターの味とみじんにしたパセリの緑色が鮮やかだった。食べ方が変わったというより、冷凍・冷温技術が進んで食べ方が幅広くなったのだろうか。

 結婚して子どもができてからは、フランス料理とは縁がなくなった。それっぽい料理を食べたときにも、箸で通した。さすがに今回は「箸で」という雰囲気ではなかった。

とはいえ、次の一品が出てくるまでに時間がある。料理と料理の合間におしゃべりを楽しんだ。新入会員の友人(市民落語家)は一口小話を披露した。「あのよー(あの世)」には、座が大いに盛り上がった。ワンドリンク以外は自腹で、私はノンアル(ビールもどき)を――。懇親会といっても飲み会ではなく、食事会というのが新鮮だった。

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