2019年6月11日火曜日

運転免許証と高齢者

 同級生によるミニ宴会が始まるとすぐ、高齢者の交通事故や逆走運転が話題になった。メディアが連日のように報じている。「高齢者」と呼ばれる年齢になった人間としては、なんだか針のむしろに座らされたようで居心地が悪い。
 一人が「運転免許を返納した」という。えっ! みんなの視線が集中する。勤務地は海外だったり、国内の地方だったりした。職場では会社の車を運転した。しかし、マイカーを持ったことはない。持つ必要もなかった。東京都区内に住んでいる。どこへ行くにも電車や地下鉄がある。ふるさとのいわきへはレンタカーで帰った。今は電車でミニ同級会に参加する。

 ミニ同級会はおととい(6月9日)、郡山市の磐梯熱海温泉で開かれた。郡山駅で東北新幹線と水郡線で到着した仲間5人と合流し、計8人が2台の車に分乗して、郡山市郊外の布引山~猪苗代湖南岸を巡ったあと、ホテルにチェックインした。

 いわき組は、わが家の“水道のホームドクター”でもある朋友と私の2人。朋友が車を出した。もう1台は、地元郡山の同級生が運転手を務めた。

東京の仲間の決断を理解しながらも、地方在住者としては、まだまだ返納は考えられない、特にいわきでは――という話になった。

頼みの公共交通機関が貧弱だ。利用者減で電車(ディーセル車)の便数が減ったり、バスの路線が廃止されたりしている。車がないとどこへも行けない、つまり生活が成り立たない。

一方で、運転者は高齢化する。年を重ねるごとに運転技術が低下する。バックで庭から道路へ出る、街の駐車場に入れる、というとき、どちらかに寄りすぎたり、斜めに止まったりする回数が増えた。夜の運転はできれば避けたい、そんな気持ちにもなってきた。

逆走運転をしたり、ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えて大事故を起こしたりするのは、こういうささいな運転技術の低下の繰り返しと、加齢による認識能力の低下が重なった結果ではないのか。

ミニ同級会でのやりとりを思い出しながら、朋友の車に乗って帰ってくる途中――。郡山ジャンクション付近で事故処理が行われていた=写真。何台も車が止まっている。若葉マークの乗用車が、ダンプとバスの間でひっくり返っていた。

それだけではない。いわきに入ってそろそろ常磐道とのジャンクションに近いというあたりで、「いわき―浪江間で逆走車両、速度落とせ」といった内容の電光表示が出ていた。

けさの県内紙に、郡山ジャンクションでの事故が載っていた。18歳の運転する乗用車が中央分離帯を乗り越えてひっくり返り、対向車線を走っていたダンプカーと高速バスにぶつかった、ということだった。18歳はさいわい軽傷ですんだ。逆走車両の記事はなかった。事故はやはりひとごとではない。

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