2019年9月14日土曜日

夜の珍客

きのう(9月13日)は旧8月15日、中秋の名月だった。日中は曇天。夕方から急速に雲が薄れて、6時半前には隣家と隣家の間からまん丸い月(満月はきょう)が昇ってきた。
半そで・半ズボンで庭にいると、少しひんやりした。日の出が遅くなり、日の入りが早くなっている。あと1週間ちょっとで秋分の日だ。日によっては1枚重ねるか、長ズボンにするか、迷うことがある。いつのまにか秋めいてきた。

とはいえ、ほんのちょっと前までは暑くて夜も戸を開けていた。玄関の上がり框(かまち)か縁側に蚊取り線香を置く。晩酌を終えて、パソコンをいじる。と、庭から虫が現れる。昔なら「飛んで火に入る夏の虫」たちだ。

いながらにして昆虫観察ができる。毎晩現れるのはゴキブリやコガネムシたち。夜の蝶、いや蛾もやって来る。

火曜日(9月10日)の夜には、パソコンの画面の上に小豆より大きいくらいの小昆虫が来て止まった=写真上。肉眼では形も色もよくわからない。パソコンに撮影データを取り込み、拡大すると、奇妙な顔と体をしている。目は下部にある。耳が立っている。背中にはセミのような翅。目の付け根から野球帽のつばのように出ているのはなに?

ツノゼミ? そのへんからネットで検索を始めた。が、よくわからない。座業の合間に図書館から児童書を借り、検索を続けること4日目、外観がよく似たヨコバイ科のミミズク(耳蝉)という虫にたどり着いた。鳥のミミズクのほかに、虫のミミズクがいることを初めて知った。今のところは虫のミミズクということで調べを進めている。

翌水曜日には、翅を広げると4センチくらいの小さな蛾がやって来た=写真下。中央部が白くて周りが黒い。白い部分は絹のような光沢がある。上品な美しさだ。これも2日ほど検索を続けて、ツゲノメイガらしいということがわかった。
たった1軒の家と庭だが、知らないことが多すぎる。しかし、知らないことを知る、見たこともない形・色彩に触れる――これもまた自然の奥深さを実感するいい機会、そしてセンス・オブ・ワンダーにはちがいない。

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