2019年9月11日水曜日

渓谷で朝日を拝む

 夏井川渓谷では、台風15号はどうだったのか。結論からいうと、わが隠居の被害は皆無だった。庭にあるキュウリの支柱と鷹の爪はちゃんと立っていた。庭木も折れたり、倒れたりはしなかった。
渓谷を縫う県道小野四倉線は、低気圧の風雨でも倒木や落枝、落葉が起きる。今回はロックシェッドの手前、竹ノ渡戸(わたど)地内で路上に土砂が流出した跡がみられたほかは、落枝・落葉は少なかった。

きのう(9月10日)――。早朝5時半、様子を見にわが家を出発し、6時に隠居に着いた。すぐ庭の菜園に直行して異変がないことを確かめ、小さなキュウリを3本収穫して、生ごみを埋めた。カミサンは隠居で買い替えたばかりの電気掃除機を動かした。

滞留30分。6時半には隠居を離れた。V字谷の名勝・籠場の滝の左手から、ちょうど朝日が射し込んできた=写真上1。現役のころは土曜日に泊まって日曜日に早起きして土いじりをしたから、よく朝日を拝んだ。日曜だけの日帰りになってからは、めったに朝日は拝めない。台風が雲を払ってくれた分、ラッキーだった。

わが家へは7時に着く。しかし、10分くらいの遅れはかまわないだろう。山越えの「福島県広域農道」を利用し、平地へ下りてからは旧国道6号に出て、隣区の草野小の前を通ることにした。

同農道は二ツ箭山の中腹を縫い、標高200メートルほどの同トンネルを頂点に、小川町と四倉町の丘陵約10キロを結ぶ「天空のハイウエー」だ。トンネルは2003年に完成して以来、バリケードが設けられて利用できなかった。これが月遅れ盆には通れるようになったと聞いて、9月2日、隠居からの帰りに初めて通った。起点は県道八茎四倉線に接続する四倉・玉山だ。

小川の平地から国道399号を駆け上がり、同農道に出る。トンネルも、その先のハイウエーも、カミサンには初めてだ。ススキなどが「うらめしやー」をしてやや狭くなっている道路を下り、玉山に入ると若い松が道端に倒れている。台風にやられた。同地区では松枯れが目立つ。その1本だろう。
県道八茎四倉線から山麓線(県道いわき浪江線)に出た瞬間、目がテンになった。対向車線が車で数珠つなぎになっている(前方にダンプカーがいなければ車列の長さが一目瞭然なのだが)=写真上2。時間は朝7時直前。これが、1Fの廃炉作業に向かう、あの有名な車列か。
山麓線を離れ、旧国道に入ったとたん、車は極端に減った。草野小の正門で減速し、校庭そばにあって、暴風で倒れた「大志の松」を見る。もともと斜めに立っていた。それから1時間後、同小では隣の草野中生も参加して、シンボルだった松とのお別れの式を開いた=写真上3(10日付いわき民報)。どんな様子だったか、あとで孫に聞いてみよう。

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