2019年9月23日月曜日

渓谷から四倉の港へ直行

昼めしを食べに渓谷から四倉の港へ直行するか――。そんな発想は3週間前まで全くなかった。二ツ箭山系の中腹、いわき市小川町と四倉町の境にある上岡トンネルが竣工16年目にして開通したことが大きい。この広域農道に林道を組み合わせると、時間が短縮されることもわかった。
きのう(9月22日)朝、カミサンの実家へ行って墓参りをしたあと、夏井川渓谷の隠居で土いじりをした。10時半から始めて2時間余。草引きを終えるころには、珍しく空腹を覚えた。

 昼食の用意はしていない。平の街へ戻ってラーメンを食べるか、途中、コンビニでサンドイッチを買うか――迷っていたら、二ツ箭山の広域農道が頭に浮かんだ。小川の町へ下り、国道399号を駆け上がって広域農道へ出れば、たちまち四倉・玉山に抜けられる。そこから「道の駅よつくら港」まではちょんの間だ。カミサンも道の駅での昼食に同意した。

 午後1時ごろに隠居を離れた。隠居のある牛小川から二つ隣の集落・江田に入ると、田んぼにわらボッチができていた=写真上1。午前中は人が出て稲刈りに精を出していたから、昼には作業が終わったのだろう。

 JR磐越東線の江田駅前にさしかかったころ、国道399号に通じる母成(ぼなり)林道があることを思い出す。同林道は江田と山かげの横川を結ぶ古道でもある。

 横川は二ツ箭山の西麓に位置する、標高250メートル前後の小集落だ。同山の中腹をかすめる広域農道は、標高が140メートルから200メートルほど。広域林道へは小川の平地から上るより、横川から下る方が近いのではないか。急きょ、母成林道(江田)~国道399号(横川)~広域林道~県道八茎四倉線(玉山)~同小野四倉線(四倉港付近が終点)ルートを試走することにした。
 母成林道は、ふだんは利用しない。渓谷で崖崩れが起きたとき(3・11がそうだった)、う回路に使われる。道の両側はあらかた杉の人工林だ=写真上2。道路には杉の葉や枝が落ちている。ノーマルタイヤではちょっときつい。それよりなにより、対向車があったら、どちらかが延々とバックしないといけない。

それでも、この林道を選んだのは正解だった。三角形でいえば、渓谷(牛小川)と平、平と四倉を結ぶ2辺の合計時間はざっと45分。ところが、牛小川と四倉を底辺で結んだ直行ルートは35分。10分ほど早く道の駅よつくら港に着いた。

渓谷の入り口、高崎地内に広域農道の終点部が完成すれば、そこが最短路になるだろう。が、現時点では母成林道を行き帰りの道に加えた方が早い。変化もあっておもしろい。広域農道が通れるようになったおかげで、横川~江田の林道へと発想を広げることができた。平地系だけでなく、山地系の道路地図が頭のなかでネットワーク化されれば、野鳥や野草、キノコ、いや風景そのものを写真に撮る楽しみが増える。

道の駅よつくら港は午後2時前だというのに、食事客でごった返していた。1000円の釜めしを頼むと、ご飯茶椀で3膳分入っていた。ふだんは1膳しか食べない。3時間後に晩酌を始めると胃がもたれて、カツオの刺し身が少し残った。今朝はその残りを海鮮丼にして食べる。

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