2019年12月2日月曜日

台風19号㊲夏井川の上流へ

 きのう(12月1日)の日曜日は、夏井川に沿って県道小野四倉線を田村郡小野町まで駆け上がった。川も道路も満身創痍――。台風19号の傷跡があちこちに見られた。大型車はまだ夏井川渓谷を通れない。
きのうは、渓谷の隠居で久しぶりにボーっとできる、と思ったのだが……。カミサンが「午後1時半から街で災害時語学サポーター養成講座がある」という。朝、隠居へ行って、昼には街へ戻ることにした。

 ボーっとしたいといっても、やるべきことはある。買いたいものもある。ひとつは、隠居の水道管の凍結・破損対策。もうひとつは、JR磐越東線江田駅前にできた臨時直売所で、曲がりネギ(三春ネギ)があれば買うこと。

紅葉シーズンの日曜日、行楽客を相手に小野町のNさんが直売所を営む。パイプで組み立て、ブルーシートを張った小屋に、自然薯とゴボウが並ぶ。以前は曲がりネギ(三春ネギ)も売っていた。

今年(2019年)はパイプの組み立てが遅れた。11月10日の日曜日にはなかったパイプが、同18日の月曜日にはあった。同27日の木曜日にもあった。17、24日の日曜日には、用事があって隠居へ行けなかった。師走に入ったとはいえ、最初の日曜日くらいはやっているだろうと期待したが、パイプは撤収されてなかった。

 となれば、あとは隠居にある洗面所の水道管の元栓を締め、台所の温水器の水を抜くだけ。作業は5分もかからない。街へ戻るにしても、時間はある。

どうしても曲がりネギが欲しい。以前、曲がりネギを売っていた小野町の直売所をのぞいてみることにした。台風19号の影響で、隠居のある牛小川から先は「大型車通行不可」になっている。上流の被害の様子も確かめたい。

 小川と川前の境をなすのはJR磐越東線大滝踏切。ここでは踏切をはさんで、トンネルと鉄橋が直結している。次の山前踏切に差しかかる手前で「幅員減少」の看板とカラーコーンがあった=写真上1。「大型車通行不可」の場所はここだろう。

小野町までの間に何カ所かカラーコーンが置かれていた。谷側のそれは、大水でえぐられたところがほとんどだった。
川前駅へ通じる橋の上流、カツラの巨木が右岸にそびえる。巨木は無事だったが、県道側の左岸がえぐられた。宇根尻では、三和町差塩に至る県道川前(停)上三坂線の橋に、普通車しか通行できない(ふだんもそうだが)旨の看板が立っていた。さらに上流、砂押踏切手前、四万十川に架かる沈下橋に似た“農道橋”は流木で橋げたがずれ、通行不能になっていた=写真上2。

ほかにも、対岸の杉山が崩れ落ちていたり、川岸がえぐられたり、田んぼに砂が堆積したりしているところがある。道路・農地・護岸、どれもがダメージを受けたことがわかる。

さて、肝心の曲がりネギは――。小野町の直売所にはなかった。代わりに、真っすぐのネギを2束買った。郡山市の「阿久津曲がりねぎ」は、本来なら師走に入ると、郡山市に本社のあるスーパーに並ぶ。いわきの店でも買うことができる。しかし、先日のニュースで、水害で出荷ができない状況になっていることを知った。今年もあと1カ月、ネギには恵まれない1年、で終わりそうだ。

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