2019年12月31日火曜日

オオハクチョウ飛来

2019年もきょう(12月31日)一日限り。きのうは年賀はがきの文章(近況報告のようなもの)を考えて、印刷した。印刷中にカミサンがはがきを手に取る。「自分のことばっかり」。さわらぬカミサンにたたりなし――で、10枚くらいは印刷をしないで残した。
午後は街へ出かけ、銀行でカネを下ろした足でガソリンスタンドへ向かった。スタンドはわが家から四倉寄り、下神谷の旧道沿いにある。夏井川の堤防を利用しても行ける。

川を見ながらコハクチョウの越冬地、夏井川と新川の合流点に近づく。まだ3時前だ。コハクチョウたちは四倉や高久などの田んぼに遠征しているから、1羽もいない。が――。カーブしているので見えなかったが、堤防直下の高水敷に5羽、9羽=写真、計14羽が羽を休めていた。くちばしの黒色と黄色のあんばいからいうと、黄色が多い。コハクチョウではなく、オオハクチョウだ。到着したばかりのようだった。

 長谷川博著『白鳥の旅――シベリアから日本へ』(東京新聞出版局、1988年)の文章を思い出す。コハクチョウは北極海沿岸から北緯60度の間のツンドラ帯で営巣・育雛する。オオハクチョウはそれより南の森林ツンドラからタイガ(針葉樹林)帯で繁殖する。越冬地はその逆で、オオハクチョウはコハクチョウより北で越冬する。ということは、北国もだんだん凍(しば)れてきたのだろう。

 飛行ルートも想像してみる。3年前、宮沢賢治が「銀河鉄道の夜」の発想を得たとされる樺太(現サハリン)を旅した。ユジノサハリンスクから北の元泊(ボストチヌイ)へ行き、賢治ゆかりの栄浜(スタロドゥブスコエ)へ戻る途中、白鳥湖に寄った。白鳥湖は、北極圏で繁殖し、日本などで越冬するハクチョウたちが南下・北上するときの休憩地だ。

それはさておき――。ヒーターとストーブに使う灯油のスペアがない。孫のお年玉を用意しないといけない。焼酎の田苑とビールも買わないといけない。ガソリンはちょっと前に満タンにした。白菜漬けは、新しいのがある。頼まれた原稿は手つかずだが、越年してもなんとかなる……。ここ1、2日、そんなことばかりが頭をよぎった。

それでも28日が日曜日だったため、おとといときのうで正月を迎える準備はあらかた済んだ。おかげで今年は、尻に火が付いたような感覚はない。むしろ、正月を迎え撃つような気分だ。

ただし、最後の仕事が残っている。1月1日付の広報いわきを、これから区の役員さんに届ける。ほんとうはきのう配りたかったのだが、雨で一日延ばした。それがすまないと、紅白歌合戦ものんびり楽しめない。

0 件のコメント: