場所によっては屏風のように山並みのスカイラインが待ち受ける。日の沈むのが毎週早くなる。青い空が山すそから赤く染まり出したかと思うと、あっという間に群青になり、黒みを増す。2週間前、西空に星がひとつ光っていた。「あの星、なんだ?」「ホッキョクセイ」。そうかそうか、星といえば北極星なのか。「北極星は北極の上にあるんだぞ」「なんていう星?」「金星」。宵の明星だ。
先週は雨で練習が中止になった。この冬一番の寒気に包まれたおとといは、夕方、きれいに晴れ上がった西空に三日月が出ている。その斜め右下には金星。赤信号を利用して、まず月と金星の写真を撮る。「あれは、あの光っているものは?」「三日月」「そう、でも三日月より細い。二日月だな」
それから孫にカメラを持たせ、シャッターの押し方を教えると、4回ほどパチリとやった。そのうちの1枚が上掲の写真(赤みがかっているのは、前車のブレーキランプの明かり)。
話は前後するが、家へ迎えに行くと、座卓に小学校の「走ろう会(持久走記録会)」の記録があった。前日の木曜日朝、道の駅よつくら港へ買い物に行った帰り、小学校の前を通ると校庭に人だかりができていた。「走ろう会」をしていたのだ。
じいバカでいうのだが、下の孫は足が速い。今度も記録用紙には「第1位」と書いてあった。上の孫も体がしっかりしてきたのか、足が速くなった。持久走も2位だったという。「距離は?」「4年生は800メートル、6年生は1000メートル」。車の中で、孫と差しで話す。学校の様子がわかる。それも“アッシー君”をやっているからこそ、だ。
あの星は金星――と口にはしてみたものの、自信がない。帰ってからネットで位置を確かめた。三日月は、思った通りに月齢2.5、二日月と三日月の中間の細さだ。金星はその三日月の右斜め下にある。
まちがいないどころか、金曜日の夕方5時8分(東京)には、左斜め上から右斜め下へと土星―月―金星―木星が一直線に並ぶ、天体的にはおもしろい時間帯だった。
パチリとやったのは4時50分前後。月と金星しか見えなかったが、あと15分も西空を見ていたら天体ショーが見られたはずだ。ま、そんなことも“アッシー君”の余得にはちがいない。
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