2019年12月21日土曜日

沈む生活道路のブロック擁壁

区内会の役員会は2カ月に1回の割合で開かれる。12月は、これといった協議事項がなかった。年明けの1月にずらしてもよかったのだが、10月12日に台風19号が襲来した。「そのとき」と「その後」の情報交換・共有を兼ねて、12月初旬の終わりに役員会を開いた。
わが区は、直接の水害はなかったが断水に見舞われた。同じ夏井川の少し上流域では、浸水被害が広範囲に発生した。平地の上・下流だから、人的な交流は濃密だ。水害に遭った親戚の片付けを手伝いに行った役員がいる。断水で水の確保に苦労している隣人のために奔走した役員がいる。浸水・断水、どちらも身近な問題だった。

日常のごみ出し問題も話題になった。「コミュニティは“ゴミュニティ”。ごみ集積所に違反ごみがなければ、コミュニティは平穏だ」。そういうと、住民から苦情・要望を受ける立場の役員だけに、「んだね」という表情に変わった。

それから1週間後――。役員の1人が、担当する隣組の要望をもって来た。車1台がやっとの生活道路がある。その道路に接している3段のブロック擁壁が水平ではない、片側が1段分沈み込んでいる、という。

話を聞いているうちに、わかった。またあそこだ――。最初は5年前、次は3年前。擁壁と接している道路のへりにすき間ができた、小さな穴があいた、というので、市役所に連絡したら、ほどなくアスファルトで穴がふさがった。

すぐ現場を見に行く。片方のブロック擁壁がかなり沈み込んでいる=写真。3年前に補充されたアスファルトも少しへこみ、亀裂が走っている。電柱は真っすぐだが、隣のカーブミラーは同じ方向に傾いている。もともとは花か庭木のためのスペースだったのだろう。

2年か3年に一度、住民の目にはっきり異変がわかる、ということは、地中に空洞ができているのではないか、そんな懸念が膨らむ。家に戻ってすぐ要望書をつくった。

要望書にはひな形がある。毎年、新年度が始まると区内を巡回し、道路を中心に改修個所などをまとめて要望する。直近のデータを残しているので、それをコピーして最新の要望データに更新する。役員会の開催通知も同じだ。前回、あるいは前年のデータを利用して、月日と曜日を変える。ところが、ここでときどきミスを犯す。

役員会は土曜日に開催している。この12月は、あらかじめ土曜日に合わせて通知文のデータをつくっておいた。が、会場の集会所管理人に電話したら、先約があった。しかたない、「12月7日(土)」を「12月9日(月)」に替えた――つもりが、「12月9日(土)」になってしまった。土曜日開催だから7日と思って電話をかけてきた役員がいる。確かめに来た役員もいる。

そこからの連想。役員会開催の通知は年に6回余りのルーチンだから、ひな形を利用する。月日と曜日を変えるだけで済ませる。形式的な事務文書をセロから作文するようなことはしない。

地域の片隅の“公文書”でさえそうなのだから、内閣府の「桜を見る会」の文書が消去されてない、というのはありえないと、区内会を運営する人間の直観が教える。内閣府の担当者以外の役人も実はそう思っているだろう、とも思う。いちいち消去していたのでは、最初から起案しないといけない。非効率だ。事務も滞る。

ま、それはさておき、要望書をつくったあとは午後一番で市役所へ出かけた。担当課の職員に要望書を渡し、地図で場所を示しながら説明する。役人は、即答はしない。直感的に私有地がからんでいると見てとったらしい。「三度目にドカンとくることのないように」といいながら、とにかく現地を見てくれ、と要望する。現地を見ることに関しては了承した。大陥没が杞憂であることを祈るばかりである。

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