それとは別に、師走最初の日曜日(12月1日)、夏井川沿いの県道をさかのぼって、田村郡小野町の直売所へ出かけた。
夏井川渓谷が紅葉で燃え上がるころ、同町のNさんが日曜日、JR磐越東線の江田駅近くに臨時直売所をもうける。自然薯とゴボウ、ときには曲がりネギも売る。同じ日曜日、渓谷にある隠居で過ごす。先月(11月)はなかなか日曜日に出かけられなかった。結局、Nさんには会えずじまいだった。ならば、こちらから小野町へ曲がりネギを買いに――と、県道を駆け上がったのだった。
小野町の直売所でも曲がりネギにはお目にかかれなかった。代わりに、真っすぐのネギを2束買った。ジャガイモとネギの味噌汁にすると、やわらかくて甘い。このネギも在来作物(昔野菜)の仲間だろう。
いわきには太くて長いネギがあるが、三春ネギを食べて育った人間には、どうも口に合わない。硬い。それで、冬取りのネギが出回る師走には、あちこち直売所を巡るようになる。
12月5日朝には、道の駅よつくら港から「赤ネギ」を買って来た。宵には焼きネギが出た=写真。甘みはそれほどでもないが、とろみがあった。葉に蜜=ぬめりが詰まっているのがわかる。
きのう(12月8日)は、渓谷の隠居から差塩(さいそ)の山を越えて、三和の直売所「ふれあい市場」へ行った。ここでも地元のネギを買った。
一番はやはり、自分で栽培している三春ネギ、あるいは「阿久津曲がりねぎ」だが、わが菜園の三春ネギは梅雨期にあらかた根腐れを起こして姿を消した。冬に食べるどころではない。それもあって、今年の師走は直売所を巡る回数が増えている。
「ずいぶんネギがたまったよ」とカミサンにいわれる。食べ比べるためには必要なことだと、内心開き直る。それに、いわきの山間部でもそろそろ雪に見舞われる。真冬、根雪になればスタッドレスタイヤでも峠を越えるのは怖い。直売所巡りは平地だけになる。出会うネギも限られる。師走のネギ買いもそれで治まる。
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