2020年4月13日月曜日

外出自粛は接触自粛

外出自粛の目的は人間と人間の接触を避けること。外出しなくても、家族や友達との家飲み会、食事会は接触になるから避ける。接触を伴わなければ、屋外で動くのはかまわない――。
SNSで、首相のいう「最低7割、極力8割の人と人との接触削減」の根拠を計算した専門家のインタビュー記事を読んだ。自粛すること、やっていいこと、その両方に言及していて納得がいった。

マスメディアが伝えるのはネガティブ情報がほとんどだ。心のバランスを図るにはポジティブ情報も欲しい。なのに、メディアからそれを得ることはできなかった。いや、情報は伝えていると反論されたら、伝え方が弱くて見えてこなかった、というしかない。専門家の意見はやはり参考になる。それで少し元気になった。

きのう(4月12日)の日曜日は、夏井川渓谷の隠居で土いじりをした。会って言葉を交わした人間といえば、犬を連れてそばの県道を散歩していた地元の住人ひとり。「おはようございます」。大声であいさつして終わったが、ソーシャルディスタンス(社会的距離)は、2メートルをはるかに超えて8メートルはあった。

水曜日(4月8日)に田村市から持ち帰ったネギ苗を植え付けた。きのうはその残りを植えた。新型コロナウイルスを忘れて、ネギ苗と向き合うこと2時間。趣味のネギ栽培ではあっても、植え付けを終えてホッとする。(きょうは早朝、すでに嵐の様相。これから強風と激しい雨になる。倒伏が心配だが、溝に敷き草をしているから、そんなに倒れることはないだろう)

「三春ネギ」は、私にとっては栽培~消費にとどまらず、そのサイクルを記録する取材対象でもある。植え付けがすめば、あとは自由時間だ。

昼食をとり、昼寝をして本を読み、それにあきると、カメラを持って庭の内外をうろついた。2本のシダレザクラが7分咲きになった=写真上。ウグイスが1羽、さえずっている。天空を腰の白いツバメ(イワツバメだろう)が舞っている。庭に戻ると、カエデの木に小鳥が来て止まった。ヤマガラだった=写真下。
世界は三つの交通で成り立っている。自然と人間の交通、人間と人間の交通、自然と自然の交通――哲学者内山節さんの『自然と人間の哲学』(岩波書店)をもじっていえば、世界は三つの接触で成り立っている。自然と人間の接触、人間と人間の接触、自然と自然の接触。この三つの接触のうち、人間と人間の接触を8割減らす必要がある、と専門家はいっているわけだ。

自然のなかに身を置いていると、予想もしない出来事に出合う。足元で花が咲き出した、キノコが現れた、生き物が近くまでやって来た……。毎週、渓谷へ通ってあきないのは、この小さな驚きと不思議があるため(きのうは、ニホンカモシカには出合わなかったが、渓谷にすみついたかもしれない、と想像する楽しみが増えた)。

午後遅く、人間と人間の接触が避けられないマチへ戻る。マスクをかけて、いつもの魚屋へ直行した。「きょうのカツオもおいしいですよ」。そのとおりだった。外出自粛は人間と人間の接触自粛。人間と自然の接触は、たまりにたまったストレスをほぐしてくれる妙薬でもある。

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