おととい、夏井川渓谷の隠居の畑にネギ苗を植えた。ワラの代わりに刈り取った庭の草を溝に敷いた。この敷き草が支えになって苗はもちこえた、とは思うのだが……。近いうちに様子を見に行く。
隠居の隣の空き地の土手も気になる。隣は水力発電所の社宅跡だ。谷側から吊り橋と同じ高さで最初の空き地があり、そこから石垣と盛り土でがっちり固めた上部に、社宅跡が二段になって広がる。春のアカヤシオと秋の紅葉時、県道沿いの社宅跡には行楽客の車が何台も止まっている。
去年(2019年)暮れ、石垣のすぐ上の土手がイノシシに掘り返されているのに気づいた。雨のたびに土砂が流れ落ちたのだろう。石垣の下の小流れが寸断され、石垣からしみだした水が空き地にあふれて、一部、湿地化していた=写真上1。
同じころ、わが隠居の庭も2カ所、イノシシに荒らされた。特に、シダレザクラ(きのう、花の写真をアップした)の樹下は、草やコケがひっくり返されて土がむきだしになっている。
この樹下には4月下旬、サクラと共生するキノコのアミガサタケが発生する。イノシシに掘り返された影響はあるのかないのか。暖冬だったために3月下旬からチェックしているが、まだ気配はない。影響がなければ来週あたりには、アミガサタケが出てくる。
小流れは石垣のはずれから夏井川へとL字になって注いでいる。その岸辺に小さな湿地がある。早春にはキクザキイチゲが咲く。毎年、写真を撮るのがひそかな楽しみだった。ところが、その湿地が土砂で埋まっていた=写真上2。流木まである。半年前の台風19号で冠水したのだ。
3・11からまだ9年しかたっていない。放射性物質の問題だけでなく、台風による大水、イノシシ、新型コロナウイルス、春の嵐と、人間は自然から逆襲されているのではないか――そんな思いにかられるような事態が続く。文明のあり方を問い直さないといけないのではないか――という思いにもなってくる。
少し不便でも、技を磨いて自然と折り合いながら生きる。高度経済成長前に戻れ、というのではない。インターネットやAIなど最新の技術を組み合わせれば、自然と共生する暮らしが可能ではないのか――そういったことも考える。
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