2020年4月20日月曜日

シダレザクラとアミガサタケ

 きのう(4月19日)の日曜日、朝10時過ぎ――。夏井川渓谷の隠居に着く。庭のシダレザクラの花が満開だ。真っ先に樹下をチェックする。
あった! 2本あるシダレザクラの中間、花の噴水の内側に二つ=写真、すぐそばに一つ。今年(2020年)初めての春キノコ、アミガサタケだ。まずは写真を撮る。それからゆっくりと茎の根元に指を差し込み、ねじるようにして採る。

カミサンは、アミガサタケよりシダレザクラの花が頭にあった。「満開の花を見てやらないとかわいそう」。私は花よりアミガサタケだ。春のキノコを採り終えると、カミサンは樹下で草むしりを始めた。

樹下には、あちこちにカエデの幼樹が生えている。それを苗ポットに移そうとすれば、熊手で土をほじくり返すことになる。ただの草むしりでも、熊手を使えば地中のアミガサタケの菌糸がずたずたになる。草むしりはしようがないが、熊手は使わないでくれ――。ひとこと物を申す仕儀になる。

アミガサタケを採れば用はすんだ、も同然。少し土いじりをしたあと、縁側で一休みした。春の嵐が続いて、対岸のアカヤシオの花もヤマザクラの花もあらかた散った。谷沿いにヤマザクラの花が残っている。もしかしたら、そこにも……。

妄想が芽生えると抑えられなくなった。久しぶりにつり橋を渡る。が、林内は急斜面、谷沿いでもでこぼこが続く。対岸から見た感じと違って、林内ではヤマザクラの樹下までが遠い。アミガサタケの有無を確かめるのはあきらめた。

アミガサタケの記録を自分のブログで振り返ってみる。――平成25(2013)年師走、庭が全面除染の対象になり、業者が表土をはぎとったあと、山砂を敷きつめた。除去された表土より深く菌糸が残っていたか、山砂に胞子が含まれていたかして、4年前(2016年)、久しぶりにシダレザクラの樹下にアミガサタケが発生した。

以来、毎年決まった時期(4月20日過ぎ)に発生を確認している。今年は記録的な暖冬だったが、発生確認はやはり19日になった。寒暖にはほとんど関係がないらしい。

 平地のわが家の庭に出たこともある。――3年前(2017年)の4月14日、店(米屋)の用事で運転手を務め、配達から帰って庭に車を止めたら、カミサンが庭の花壇のへりにアミガサタケが頭を出しているのを見つけた。

去年はアミガサタケとアスパラガスの炒め物にした。今年はどうしよう。まずはゆでこぼした。細かく刻んで吸い物にするか、二つ割りにして炒め物にするか。そのへんの判断はカミサンにまかせる。

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