2020年4月17日金曜日

凍みもちを食べる

 先日、田村市の実家へ帰ったら、みやげに「凍みもち」をもらった=写真下。「ごんぼっぱ」(オヤマボクチの葉)が入っているという。「ごんぼっぱ」。懐かしい言葉だ。阿武隈の山里では広く凍みもちがつくられている。どこからか届いたのだろう。
 子どものころは、春の「3時のおやつ」だった。「おやつ」なんて言葉を使うのも恥ずかしいのだが、要するに昼食と夕食の間、小腹がすくと「凍みもちでも食べてろ」となる。そういうときの食べ物、いわゆる「こじはん」(小昼飯)だ。

 子どもでもできる食べ方は、凍みもちをそのままストーブの上で焼くことだ。もちの表と裏がきつね色になって、中まで熱が通ったら、フーフーいいながら、少しずつ食べる。

そのころは、それが普通だと思っていたが、一般的な食べ方は違っていた。一晩水につけてもどす→やわらかくなったのをフライパンで焼く→砂糖醤油などにつけて食べる。ネットには、これ以外の食べ方は載っていない。

やわらかくなった凍みもちを食べたこともあるが、凍みもちというと、やはり、私には硬いもちを焼いて食べるのが一番。というか、それしか思い浮かばない。
 きのう(4月16日)、「3時のおやつ」に一つだけ石油ストーブで焼いた=写真上。かじると、何層にもはがれながら割れる煎餅のような食感と、「ごんぼっぱ」のほのかな香りが口中に広がった。

実家で凍みもちの話になったとき、「オレは焼いて食べる」というと、兄が驚いていた。「歯が丈夫なんだな」。凍みもちを水につけてもどすのは、硬いままでは歯が立たないからだ。

確かに、焼き凍みもちは懐かしい味がした。が、老化した歯ではもたない、ポロッと欠ける心配もある。そのまま焼くのは1、2個にして、あとは水につけて、もどしてから食べることにしよう。

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