コロナ問題で日本全国に緊急事態宣言が出された。「8割の外出(接触)自粛」が要請されている。その影響で飲食店の客足が激減した。店によっては廃業・倒産に直結しかねない状況だ。
持ち帰りで活路を――。テイクアウトを始める店が急増した。その店とメニュー、値段などを紹介し、いわきの飲食業界を盛り上げながら楽しもう、というのがサイトの趣旨だ。店だけでなく、利用者も投稿できる。
いわきは広い。が、ふだん動き回っている範囲は限られる。狭い生活圏(私の場合はいわき市平の、そのまた一部)でも、ラーメンの持ち帰りがある、北海道で食べた豚丼(ぶたどん)がある――食べ物はコンビニ止まりの人間だが、見る=知る楽しみがある。
これはリアルな一例――。インド料理の店「マユール」(平下神谷)が、当面、テイクアウトだけに切り替えた=写真。きのう(4月21日)、ランチボックスを四つ買って、自宅学習をしている孫に届けた。取引のある店に少しでも協力できれば、共働きの息子一家の夕食を1回だけでも簡単にすませられれば、という老婆心からだった。
少し想像すればわかることだが、ある業界が苦境に陥ると、関連する第一次産業も第二次、第三次産業も苦しくなる。外出自粛、営業自粛の影響が身近な地域でも目に見えるようになってきた。「風が吹けば桶屋が儲かる」の反対だ。
マユールは3・11前、新舞子海岸にあった。大津波で店が大破した。それからおよそ10カ月後の正月、内陸に移転・再開した。
台風19号で浸水し、場所を移して、あした(4月23日)再開するシュークリームとマカロン屋もある。「アンプルール」(好間)から「クリーム」(平=一二三屋いわき店内)に店名を改称した。父親から案内のはがきが届いた。
地震・津波・台風、そして世界的なコロナ禍。「憂きことのなおこの上に積もれかし限りある身の力試さん」(山中鹿之助説と熊沢蕃山説がある)。経営者は困難に立ち向かってがんばっている――テイクアウトいわきの情報に接するたびに、そんなことを思う。
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