助手席に置いたカメラを手にして、そっとドアを開けて外に立ち、急いでカシャカシャやった。人の姿を見たはずだが、猛禽は平然としている。そこへ、ドバトが1羽やって来て、猛禽の近くの屋根に止まった。猛禽を恐れない。「あれっ」とは思ったが、タカないしミミズクの写真を撮った喜びの方がまさった。
助手席に座った孫がいう。「何を撮ったの?」「鳥」。胸を張ってベランダの猛禽を指差す。と、「ずっといるよ」「ん?」「ホンモノじゃないよ」「えっ!」。あわてて撮影データを拡大すると、鳥はミミズクだが、足元がおかしい。置物だった。「だまされたね」。小5にいわれて、こちらは「……」言葉もない。
あとで、ネットで鳥のデコイを検索する。似たミミズクがあった。「防鳥具」だという。なるほど、一般の住宅で防鳥といえばフン害対策だ。ドバトがそばに来たことでその説明が付く。屋根がドバトの休み場になっているのだろう。
この春、夏井川渓谷でカモシカの写真を撮った。そのときの興奮がまだ残っている。今度は猛禽だ。なんてついてるんだ――ラッキーな気分が孫の一言でしぼんだ。いや、調子に乗ってブログに載せたら、フェイクになっていた。老いては子に、孫に従え、か。
ところで、新型コロナウイルスの感染を抑えるには「接触8割削減が必要」(西浦博北海道大学教授)だという。やむを得ない接触でも自衛は大切だ。私がマスクをしているのを見ると、「あっ、マスクを忘れた」。いったん家に戻って、マスクをして車に乗り込んだ。孫にとっても「かからない」と「うつさない」はセットだ。感染予防に年齢は関係ない。
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