2020年6月19日金曜日

花がクモとハチを呼ぶ

 庭の木の下や南側の軒下のキュウリの葉に、ナガコガネらしい子グモが網を張り始めた。ということは、やがて庭や家のあちこちに蜘蛛(くも)の巣ができる。
東側の生け垣のすきまの奥、勝手口のそばに牛乳箱がある。朝、牛乳瓶を取り出すとき、このすきまで顔にベタッと網が張りつく。これはさすがにイヤなので、蜘蛛の巣があれば払う。せめて身長を超えるところに張ってくれよ――それが許容の限界だ。

 この蜘蛛の巣を嫌って、庭には花を植えない家がある。前にそんな情報が知り合いのフェイスブックに載っていた。初めはなぜ?と思ったが、食物連鎖を考えれば一理ある。花が咲けば、蜜を吸いに虫が来る。虫がいれば、それをえさにするクモが現れる。そのクモや虫を狩るハチもやって来る。

 4月のプラムとチューリップ・イカリソウ・エビネに始まって、5月のイボタノキ・ユキノシタ・カタバミ、6月のフランスギク・ドクダミと、春から初夏、庭には花が絶えない。

 イボタノキの花にはアオスジアゲハが来た。同じころ、ハナアブも早朝からこの花にとりついていた=写真上1。1匹や2匹ではわからないが、何十匹ともなれば、イボタノキに近づくだけで「ブーン」と低くかすかな羽音が降りてくる。

初夏は虫たちもいのちを紡ぐのに忙しい。未明の4時すぎにはもう活動を始めていることを知った。これも、コロナ禍で増えた「内省の時間」の成果?だ。

玄関わきの台所の壁に常緑のツタが茂っていたときがある。ちゃちな木造家屋なので、ほっとくとツタで台所の屋根が壊れかねない。そのうえ、玄関の上の屋根直下にある空気抜き(塩ビ管)を出入り口にして、茶の間の天井裏にキイロスズメバチが巣をつくった。遊びに来た孫たちが怖がるので、あるとき、ツタを切ったらスズメバチも姿を消した。
 スズメバチはいなくなったが、アシナガバチは?と見れば、新たに巣をつくっていた。茶の間の軒下からポリカーボネート波板の庇(ひさし)がせり出している。そこにまた巣ができていた=写真上2。1匹が巣にとりついていた。写真を撮ったのは5月29日。それから3週間がたとうとする今は、5~6匹に増えた。

吸蜜するための花と、肉団子(幼虫のえさ)にするチョウやガの幼虫には事欠かない。クモもそうだが、ハチも花があれば近くに“定住”する。

茶の間は南の庭に接している。夏には戸という戸、窓という窓を開け放つ。夜も寝るまでそうしている。すると、セミが飛び込んでくる。アシナガバチも焼酎を樹液と勘違いしてか、「黒じょか」の注ぎ口に止まって内側をなめ始める。ここまでなら見て見ぬふりをしているのが一番。静かにしていれば、アシナガバチはやがて巣に帰る。庭に花があるからこその“物語”だ。

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