2021年2月10日水曜日

サルがこちらに向かっている?

                    
 野生のサルが1匹、いわき市平市街の周辺を夏井川の堤防沿いに東(下流)へ向かっている――そんなイメージがわく。最初に目撃されたのは2月3日朝8時半ごろ。夏井川に近い平中平窪新町地内に出現したことを、いわき市防災メールサービスで知る。

 以後の目撃場所は、①2月4日=午前11時半ごろ、第一報と同じ平中平窪新町地内②2月6日=午前7時半ごろから午後1時ごろまで、平下平窪字曲田(まがった)地内③2月7日=午前7時ごろ、好間町川中子(かわなご)字古川地内④2月8日=午前11時ごろ、平字九品寺(くほんじ)町地内⑤2月9日=午前7時ごろ、平鎌田字寿金沢(すがねざわ)地内――だ。

これらの「点」を「線」でつなぐと、移動経路がかなりはっきり推測できる。新町から下流の曲田へは夏井川左岸の堤防を行けばすぐだ。曲田には磐城橋が架かっている。橋を渡った対岸が川中子の古川。

古川から街へ向かって進むと好間川がある。北目とつなぐ平川橋を渡って右岸堤防を行くか、左岸堤防に折れて下流の愛宕橋を渡ると、九品寺町までは近い。さらにそこから下流へ向かえば、平神橋がある。その手前にはJR常磐線の線路と鉄橋。おそらく線路に出て、鉄橋を渡ったのだろう。東日本国際大のある寿金沢までは、そこからすぐだ。

 すると、次に現れるのは鎌田の隣の塩地区=写真=か、山側の上神谷地区。そしてその次が塩と上神谷に隣接するわが生活圏の中神谷地区、ということになる。

 3年半前にもサルが出没した。そのときの拙ブログ(2017年7月2日「とうとうサルが現れた」)を再掲する。

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とうとうサルが現れた。7月1日、夕方。知り合いが家に来て、カミサンに言った。「サルが歩いてた」。聞けば、すぐ近くだ。カメラを手にしてそちらへ向かうと、2階建て住宅の屋根のてっぺんにいた。

 とうとう――というのにはわけがある。2017年の5月以降、いわき市南部を主に、サルの出没情報が相次いでいたからだ。

 南部に住む後輩の話や市のホームページによれば、5月16日は中岡町・植田町根小屋・東田町・佐糠町で、同17日は佐糠町・東田町、同18日は泉町滝尻・玉露でサルが目撃された。6月の後半になると、好間町下好間・平字北目町・幕ノ内、あるいは平・鎌田や南白土・下荒川・郷ケ丘などに現れ、26日は三和町合戸、29日は好間町大利・北好間・上好間で目撃されている。

 単独行動の若いはぐれザルが(たまたま複数いて別々に現れた可能性も否定できないが)、いわきの南部から中部へ、さらに北部へと移動していることが推測できる。6月10日早朝には散歩していた知人が、白水阿弥陀堂(内郷)へ向かう途中でサルに遭遇し、ふくらはぎをかまれた。幸いけがはなかった。

 撮影データをパソコンで拡大して見た限りでは、若いのにやせている感じ。見晴らしのいい高所で、ただ座っている。ときには体育座りになり、手を前で組む。人間が下に集まっても動じない。動いたと思ったら西側の軒先へ移動し、右手で雨樋をつかみながら横になる。雨樋に手をかけているのは転落防止か。なんだか疲れている様子だった。

 サルはそれから間もなく隣家へ移り、さらに別の家の家庭菜園と休耕田に移動したあと、奥の住宅地へと姿を消した。

 内郷の知人が遭遇したのは「毛並みのいい、ハンサムなサル」だった。歩道を歩いている姿がフェイスブックにアップされていたが、確かに立派な体格をしている。それに比べたら……。人間にたとえると、荒野に分け入ったのはいいが、食べるものがない、カネもない、万策尽きる寸前のはぐれ青年のような印象を受けた。

                  

 市によると、大声を出したり追い回したりしない、出合っても気づかれないように距離を取る、えさになるようなものはおかない(えさも与えない)、などが大切だとか。いつか、どこかへサル(去る)のだから、静かに見守るのが一番か。

・追記=2月10日の防災メールによると、サルは10日朝6時半ごろ、平二中の北隣、平鎌田字石名坂地内で目撃された。寿金沢からは北方だ。上神谷に近い。午後の防災メールでは、目撃の30分後、近くの平二中周辺で市民がサルにかまれる被害があった。

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