毎朝、食事のあとにジュースが出てくる。どういうわけか、このごろ、知り合いからユズやレモン、リンゴがどさっと届く。それがシュースに変わる。
ユズは“くせもの”だ。爪切りで切った小指の爪の破片のようなものが舌に残る。「なに、これ?」「ユズの種」。カミサンがさらっという。
ユズは表面の皮がいのち。というか、それが白菜漬けの風味付けに欠かせない。皮をみじんにして白菜を漬けるときに、甕(かめ)に散らす。残った中身は焼酎のチェイサーとして、コップのお湯に入れる。お湯割りの場合はそんなに感じないが、ミキサーにかけてジュースにすると苦みがきつい。
リンゴも甘いものならいいが、品種のせいかよくわからない味だった。レモンもそうだ。バナナのときだけ、やわらかい甘さに舌が喜ぶ。
日曜日のきのう(2月7日)、刺し身を買いに行くと「カツオがあります」という。今年(2021年)、2回目だ=写真上1。“初ガツオ”は1月17日だった。
試験操業の地場モノだけでは、市民の魚の需要は満たせない。いわき市の中央卸売市場に全国から魚が集まる。カツオはたぶん九州から。バナナは同じ市場の青果部から、売れ残りを頼まれて引き取っているのだとか。それが回りまわってわが家のジュースになる。
魚屋の先代夫婦(このときから毎週、カツ刺しを買いに行くようになった)も、バナナジュースをよく飲んでいたという。夏になると、ゴーヤーも混ぜた。「ゴーヤー?」。バナナだけでいいのではないか。私は顔をしかめながら、今は浄土にいる先代夫婦を懐かしく思い出していた。
カツ刺しをさかなに晩酌を始めると、若い仲間が浪江町で製造された「白魚一夜干し」を土産に持ってきた。いい塩加減だった。その前、夕方、街へ出かけた。ラトブの1階でカミサンが「山うどえごま」の醤油漬けを買った。ウドに会津下郷産のエゴマ(ジュウネン)を加えたものだ。カツ刺しプラス山海の“珍味”がそろった。
前の晩、この若い仲間と痛飲した。翌日、つまりきのうの午前中は頭が重かった。草野心平は「五日酔い」にも「六日酔い」にもなったが、そんなことをしたら、体がもたない。が、刺し身と珍味がそろっては……。プリン体ゼロの「れんと」がいい迎え酒になった。
きょうから朝はしばらく、「魚屋のバナナ」がジュースになって出る。それでまた少し元気が出る。
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