立春から2週間余り。2月も中旬になれば植物にも春がきざす。畑では黄色い菜の花が咲き出した。白菜も薹(とう)立ちの準備を始めることだろう。
巨大余震に襲われるとは思いもしない土曜日(2月13日)――。朝食前に白菜3玉を割って干し、夕方には漬けた。
2玉は前日の夕方、学校の後輩の家を訪ねたとき、後輩が畑からじかに収穫してくれた。畑のそばにユズの木がある。実も3個もらった。ほかに大根を一本。これはカミサンが引っこ抜いた。
ユズは、収穫後の実がいくつか木に残っていた。白菜も後輩の畑を借りて栽培している人が取り残したものだ。いつでも後輩が取っていいことになっている。
畑の白菜はやがて、花茎が形成されて菜の花を咲かせる。白菜の花芽のおひたしは美味だが、花茎が形成された白菜を漬けたことはない。その意味では、ユズも含めてこの冬最後の白菜漬けになる。
白菜漬けには昆布、ユズ、トウガラシを添える=写真。うまみ、風味、殺菌。実用と見た目(トウガラシの赤)を兼ねたわが家の定番セットだ。
ユズは晩秋~初冬が旬。早春の今は実の水分がとんで、表面にしみができている。フニャフニャなので、皮をむくのが難しい。それでも白菜の風味付けには欠かせない。皮をみじんにすると、ユズ特有の芳香が立ち昇った。
例年だといわきの山間地、たとえば三和の直売所へ白菜を買いに行くのだが、この冬は平地の後輩の畑からじかに調達することができた。平地でも白菜は甘い。甘ければうまい、というわけで、6回漬けたうち、今回を含めて3回は後輩の畑の白菜を利用した。
やはり、2月。気温は上昇しつつある。いつもだと、台所で白菜を切り割るのだが、今回は縁側で切って、そのまま干した。午後には茶の間のヒーターと石油ストーブを止めた。ちょっと動くと背中に熱がこもる感じなので、チョッキも脱いだ。夕方、3玉を漬けた。そして真夜中、寝入りばなの激震――。
この冬は一度、塩分がなじむ前に重しを軽くしたため(だと思うが)、しょっぱい白菜漬けになった。そのあとはいつものやりかたに戻し、なんとか白菜の甘みを楽しめるようになった。
厳冬をくぐりぬけた白菜は、外側が霜に焼けて枯れたり、虫に食われたりしている。それらの葉をむくと小さくなる。大玉なら八つ割りにするところを、思い切って四つ割りにした。カミサンが知り合いからもらった白菜は少し大きかったので八つ割りにしたが、六つ割りでもよかった。やはり、最盛期の白菜のようなわけにはいかない。
甕(かめ)に漬けてから、きょう(2月18日)で6日目。塩もなじんできたことだろう。前の古漬けが一皿残っているが、けさは一片を取り出して試食してみる。正月、後輩に“しょっぱい菜”を届けてしまったので、今度は「成功作」を進呈できればいいのだが……。
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