きのう(1月31日)、2週間ぶりに夏井川渓谷の隠居へ出かけた。怖いほど風が吠えていた。西高東低の典型的な冬型の気圧配置になった。太平洋側は晴れたが、日本海側は吹雪などで大荒れだったことだろう。
隠居の下の庭にフキの自生スポットがある。強風にさらされながら、枯れ葉・枝をよけると、大きなフキノトウが現れた=写真上1。周りにも小が1個、中が1個。あとでカミサンも2個を摘んだ。「早春の土の味」だが、早ければ師走のうちに頭を出す。わが家では「冬の土の味」でもある。
夜、1個をアルミホイルに包んで石油ストーブの上にのせ、ほくほくしたところで醤油を垂らして食べた。薬のように苦かった。
この冬は、師走のうちには見つけられなかった。となると、早春の味? いや、まだ立春前だ。いちおうは冬の味だろう。
フキノトウはねじって採る。引っこ抜こうとすると、腕が疲れるくらいに力がいる。地下茎で連結しているほかの根も傷める。
フキノトウが出始めたからには、対岸の「木守の滝」のしぶき氷を回収しないと――。日曜日としてはおそらくラストチャンスだ。アイスピックをタオルに包み、レジ袋を持って出かけた。
3週間前、寒波が襲来した。籠場の滝の上下流をはじめ、水力発電所の取水堰のある隠居の前の夏井川の水面が凍った。隠居の水道も凍った(このとき、台所の温水器がやられた)。月末に向かってもっと寒くなるはず、木守の滝のしぶき氷ももっと肥大するはず、と欲をかいたが、すぐ寒がゆるんだ。
フキノトウと滝のしぶき氷に、極寒と春の胎動を同時に感じるのはいつものことだ。
それも含めての「逆算」だが、いわきのこの冬の極寒期は1月9日前後だったと、過去形で語ってもいいのではないか。
きょうから2月。あす(2月2日)は124年ぶりに一日早い節分だ。翌3日のあさってには立春を迎える。まだまだ「寒さの冬」が続くが、一方では「光の春」も近づいている。「一陽来復」の言葉通り、冬至から1カ月以上が過ぎて夜明けが早くなった。
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