東北地方の大地はまだ安定していない。東日本大震災から10年もたつのに、“余震”が続いている。ここ10日ほどは、暮らしに変化はないものの、2月13日深夜に発生した震度6強(いわきでは5強)の大地震に気持ちが引っ張られて落ち着かなかった。その10日ほどの間におきたことを四つ、五つ――。
地震の翌日、日曜日(2月14日)、いつもの魚屋さんへ刺し身を買いに行く。顔を合わせるなり、「カツオはダメ。開いたら白かった。ブリとイワシとタコがあります」という。「では、ブリとイワシで」
ほぼ1年ぶりにブリとイワシの刺し身=写真上1=を口にした。自宅と故義伯父の家、夏井川渓谷の隠居の被害を確かめ、片付けをすませたあとの晩酌だけに、カツオとは違った刺し身の味が舌を喜ばせる。ブリは安定したうまさ。イワシは脂がのっていて甘い。カツオがブリとイワシに化けたようなものだが、こうした“誤算”もまた楽しい。
この日、渓谷の隠居にいると、平上神谷の後輩から連絡が入った。「野生ザルが中神谷に現れた」という。
いわき市防災メールでは、2月3、4日・平中平窪新町、同6日・平下平窪字曲田、同7日・好間町川中子(かわなご)字古川、同8日・平字九品寺町、同9日・平鎌田字寿金沢、同10日・同字石名坂(その後、平二中付近で人がかまれた)、同11日朝・平幕ノ内字高田、同午後・石森一丁目、同12日・石森二丁目で目撃されている。
2日後の2月14日、石森山の南端をかすめて中神谷に現れたあとは情報が途絶え、同19日になって若い仲間が「北神谷、水品にサル出現」とフエィスブックに情報を寄せた。と、その二日後のきのう(2月21日)になって、再び防災メールが注意を呼びかけた。北神谷・水品の東隣、四倉町上仁井田字家ノ前で野生ザルが目撃されたという。
今回はたまたま石森山のすそ野あたりをうろちょろしていたので、興味を持ってルートを追い、中神谷に現れるのではないかと推測していた。それをブログに書いたものだから、「上神谷を通り越して中神谷に行った」と連絡がきた。やがては人間の生活圏外へ去って行くにしても、ときどき現れる“はぐれザル”には哀れなものを感じてならない。
新しい白菜漬けも食べ始めた。茎はしんなりして甘い。まあまあ漬かっている。葉先は? しょっぱかった。霜に焼けて枯れた部分はカットしたものの、それでも死んだ葉が残っていたのだろう。死んだ葉は浸透圧ができない? 一切れを取り出して水分をしぼると、灰色っぽい汁が垂れた。枯れた葉先がとろけてそうなったにちがいない。
きのう(2月21日)の日曜日は、刺し身を買いに行くのをあきらめた。風邪で腸炎になったらしく、トイレが近い。食べるのは控えた方がよさそうだ。一時はコロナを心配したが、熱は平熱、咳はない、味もわかる。頭痛も倦怠感もない。風邪薬を飲んで、土曜日夜から日曜日昼まで寝ていたら、汗をかいた。発汗したら、頭も体もしゃっきりしたので、このブログを書いた。けさは平常。一日遅れで刺し身を買いに行く。
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