2021年2月22日月曜日

ブリとイワシの刺し身

        
 東北地方の大地はまだ安定していない。東日本大震災から10年もたつのに、余震が続いている。ここ10日ほどは、暮らしに変化はないものの、2月13日深夜に発生した震度6強(いわきでは5強)の大地震に気持ちが引っ張られて落ち着かなかった。その10日ほどの間におきたことを四つ、五つ――

 地震の翌日、日曜日(2月14日)、いつもの魚屋さんへ刺し身を買いに行く。顔を合わせるなり、「カツオはダメ。開いたら白かった。ブリとイワシとタコがあります」という。「では、ブリとイワシで」

 ほぼ1年ぶりにブリとイワシの刺し身=写真上1=を口にした。自宅と故義伯父の家、夏井川渓谷の隠居の被害を確かめ、片付けをすませたあとの晩酌だけに、カツオとは違った刺し身の味が舌を喜ばせる。ブリは安定したうまさ。イワシは脂がのっていて甘い。カツオがブリとイワシに化けたようなものだが、こうした“誤算”もまた楽しい。

 この日、渓谷の隠居にいると、平上神谷の後輩から連絡が入った。「野生ザルが中神谷に現れた」という。

 いわき市防災メールでは、2月3、4日・平中平窪新町、同6日・平下平窪字曲田、同7日・好間町川中子(かわなご)字古川、同8日・平字九品寺町、同9日・平鎌田字寿金沢、同10日・同字石名坂(その後、平二中付近で人がかまれた)、同11日朝・平幕ノ内字高田、同午後・石森一丁目、同12日・石森二丁目で目撃されている。

 2日後の2月14日、石森山の南端をかすめて中神谷に現れたあとは情報が途絶え、同19日になって若い仲間が「北神谷、水品にサル出現」とフエィスブックに情報を寄せた。と、その二日後のきのう(2月21日)になって、再び防災メールが注意を呼びかけた。北神谷・水品の東隣、四倉町上仁井田字家ノ前で野生ザルが目撃されたという。

今回はたまたま石森山のすそ野あたりをうろちょろしていたので、興味を持ってルートを追い、中神谷に現れるのではないかと推測していた。それをブログに書いたものだから、「上神谷を通り越して中神谷に行った」と連絡がきた。やがては人間の生活圏外へ去って行くにしても、ときどき現れる“はぐれザル”には哀れなものを感じてならない。

 新しい白菜漬けも食べ始めた。茎はしんなりして甘い。まあまあ漬かっている。葉先は? しょっぱかった。霜に焼けて枯れた部分はカットしたものの、それでも死んだ葉が残っていたのだろう。死んだ葉は浸透圧ができない? 一切れを取り出して水分をしぼると、灰色っぽい汁が垂れた。枯れた葉先がとろけてそうなったにちがいない。

 ハクチョウたちも北帰行の準備に入ったのではないか。10年前の3月11日、平・塩~中神谷のハクチョウたちは夏井川を逆流してきた津波に驚いて飛び立ち、そのまま北へ帰った。今度の地震ではどうだったか。むろん関連性はわからないが、このところ急に数が減った。夕方、夏井川の堤防を通ると、20羽くらいしか残っていない。半分がちょうどいいタイミングで離水し=写真上2、四倉方面へ飛んで行くところだった

 きのう(2月21日)の日曜日は、刺し身を買いに行くのをあきらめた。風邪で腸炎になったらしく、トイレが近い。食べるのは控えた方がよさそうだ。一時はコロナを心配したが、熱は平熱、咳はない、味もわかる。頭痛も倦怠感もない。風邪薬を飲んで、土曜日夜から日曜日昼まで寝ていたら、汗をかいた。発汗したら、頭も体もしゃっきりしたので、このブログを書いた。けさは平常。一日遅れで刺し身を買いに行く。

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